宮下純一 会見拒否の大坂なおみ「言いたいことだけ言うのではなく」 全豪では人種差別への抗議

[ 2021年5月31日 14:30 ]

スポーツキャスターの宮下純一
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 北京五輪の競泳銅メダリストでスポーツキャスター、タレントとしても活躍する宮下純一(37)が31日、TBS系「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。テニスの全仏オープンで1回戦に勝利した後の会見を拒否し、主催者側から1万5000ドル(約165万円)の罰金を科された大坂なおみ(23=日清食品)についてコメントした。

 大坂は大会前にSNSを更新し、英語でつづったメッセージ画像の中で「ローラン・ギャロス(全仏)の期間中、一切の報道活動に応じない」と表明。これまでの記者会見に参加するたび「アスリートの心の健康状態が無視されているような気がしてならない。自分を疑うような人の前には出たくない」「何度も同じ質問をされ、疑念を抱く質問を受けることも多い。敗戦後の会見場で泣き崩れる選手を映像で見てきた」などと訴えていた。

 宮下は「そんなことをそういう聞き方するっていう記者さんはいっぱいいます。でもここで(会見を)ボイコットすることによって問題提起したことは良いことだと思うんですけど、拒否し続けることは問題解決にはつながらないと思う」とし、その理由を「記者会見は義務でもあるけど権利でもあると思う。注目されない選手は一切聞かれないでスルーされる場合もある。そこでメッセージを受け取ってもらえる権利がある。そこの舞台の権利を使って“今出たでしょ、こういう質問が私は嫌なんです”“こういう質問が来るので選手を傷つけてしまうから私はこういうメッセージを発信するんです”って、何かやらないでっていうよりは、やって終わった後にこういうふうなっていうふうなところを大事にしてほしかった」と説明した。

 そして「全豪の時は人種差別の抗議もされていた。ああいう人種差別の抗議を発信するからこそ他のことにもしっかりと答えて、言いたいことだけ言うのっではなく、記者もアスリートの気持ちが分からないから同じことを聞くんですよ。僕も現役を引退して今の世代の子たちがどういう思いで戦っているか分からないから質問するのであって、同じことを何回も聞かれてしまうってことはそれだけの説明ができないって思うこともプロアスリートとして必要かなと。同じ質問が来ないようにするってことも必要」と持論を展開した。

 自身の現役時代は「僕はライバルが強すぎて質問されない側だった。もっと発信したいのにって。だから権利のある人がうらやましいんですよ」と言い、「その権利を発することによってスポンサーも増える。知名度も上がっていく。でも勝たないとそこの意見すら通らない。だから多くのアスリートが言っているじゃないですか。ナダルも錦織も“大会があって君たちは上っていったんだろ”“その地位は何のためにあるかって、この記者会見で答えているからだよ”って。僕はたぶんトップに行った人だからこそ…だから今回、“言ってることは分かるけど、それはちょっと違うんじゃないの”って、テニスプレーヤーの多くから同調者が出てないのがそこなんじゃないかなって」と話した。

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2021年5月31日のニュース