西城秀樹さん 三回忌に名言集発売 スターへの道のり、闘病生活語った「一生青春」

[ 2020年5月14日 05:30 ]

西城秀樹さんの名言集「西城秀樹 一生青春」に収録される若かりし時の姿
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 2018年に63歳で亡くなった歌手の西城秀樹さんによる120の名言を集めた本「西城秀樹 一生青春」(青志社)が、三回忌にあたる16日に発売される。

 1972年のデビュー後の対談やインタビュー、著書から抜粋したもの。タイトルに選ばれた「一生青春」は79年の雑誌で語られた言葉だが、ファン向けの直筆メッセージにしたためられるなど西城さんが生涯大切にした言葉の一つで、妻の木本美紀さんがタイトルに推薦した。

 120の言葉は故郷・広島県での少年時代から、デビューして国民的スターに上り詰めた時期、そして03年と11年に発症した2度の脳梗塞との闘いなどについて語っている。

 代表曲「YOUNG MAN(ヤングマン)」を発表した79年の著書「いま、光の中で」では「どんなに苦しくてもぼくは負けない」「弱い者にしかいばれないやつは大キライです」と語っており、負けん気の強さがうかがえる。

 印象的なのは「お金を湯水のごとく使い、表面的なかっこよさばかり求めていた」という若い頃から、長いリハビリを経て、家族の大切さに気づいていく過程だ。最初の脳梗塞は長女・莉子さん(17)が誕生してまもなく発症。子供にはスターからかけ離れた姿しか見せられず「こうなってしまうんだったら、子供はいらなかった」と思い詰めることもあった。

 西城さんを奮起させたのは美紀さんと3人の子供だった。献身的にリハビリを支える家族の愛に、西城さんは01年に口にしていた「一生音楽、それができたら幸せな人生だと思ってます」という言葉通り、最期までステージで「YMCA」を全盛期のように踊ろうと奮闘した。

 ♪あなたに会うために生まれてきた これからともに生きていこう――と歌う06年の楽曲「めぐり逢い」について、西城さんは15年に「ぼくにとっての“あなた”とは、ファンであり、家族だった」と話している。関係者は「孤高に思われた西城さんの、深い人間味や温かさを再認識できる」と評している。

 《負けじと輝く子供たち3人》○…西城さんが愛した3人の子供は、父の死を越えそれぞれの道を歩んでいる。長女の莉子さんは4月に高校3年に進級。父の姿に憧れ、介護に興味を持っているという。高校2年の長男・慎之介さん(16)は特技のサッカーを続け、プロ選手を多数送り出した名門校で寮生活を送っている。西城さんが生前「僕に一番似ている」と話していた次男・悠天(ゆうま)さん(15)は絵画や演劇に興味があり、音楽にも親しむ。関係者によると3人とも、芸能界に進む考えは現状はないという。

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