朝ドラ「エール」の強力助演女優・小南満佑子 「音楽の力で多くの方に元気になって頂きたい」

[ 2020年5月14日 11:30 ]

NHK連続テレビ小説「エール」で夏目千鶴子役を演じる小南満佑子(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】女優・小南満佑子(23)が12日にNHK連続テレビ小説「エール」に初登場した。

 ヒロイン・音(二階堂ふみ)が通う音楽学校の声楽科の生徒で、音のライバルとなる夏目千鶴子役。初登場では、教室で上級生(山崎育三郎)と一緒にオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の「La ci darem la mano」を歌い上げた。この歌唱が圧巻で、ネットには「本格的すぎて震える」「素晴らしい歌声」など絶賛が並んだ。

 小南は朝ドラ初出演で、映像作品出演も初めて。いったい、どんな思いを抱いている女優なのか…?リモート取材した。

 「日本中の誰もが知っている朝ドラにまさか自分が出演する日が来るとは思ってもみなかったので、このような大きなチャンスを頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。音楽の力で少しでも多くの方に元気になって頂きたい、エールをお届けしたいという気持ちで演じています」と意欲満々。役柄について「千鶴子は幼い頃から声楽を学び、世界で活躍する歌手を目指して努力を惜しまない女性です。私自身も10歳から声楽を習い始めたことや、海外へのあこがれもあることなど、彼女との共演点がたくさんあったので、ありのままの自然体で演じるようにしています」と語った。

 小南は2014年に東京国際声楽コンクール高校生の部奨励賞、15年にジュリアード音楽院声楽オーディション最優秀賞を受賞。芸能界に入ってからはミュージカル「レ・ミゼラブル」など舞台で活躍してきた。

 「エール」制作統括の土屋勝裕チーフ・プロデューサーは起用理由について「千鶴子は抜群に歌がうまくなければならず、さらに、歌がうまいだけでなく気品と強さを兼ね備えて華のある女優さんに演じて頂きたいと思い、小南さんにオファーした」と説明。その上で「山崎育三郎さんとのデュエット場面は、二人の歌が素晴らしく、スタジオのスタッフも大興奮だった。千鶴子は音にとって手ごわいライバルという設定だが、小南さんに演じて頂くことで、さらに手ごわい強敵になった」と強調した。

 小南はドラマの中で本格的な歌唱を披露することについて「舞台とは違い、カメラを通してオペラを聞いて頂くということで、より繊細な息づかいや発声を意識する必要があると感じました。呼吸一つとっても鮮明に映るので、今どういう感情でどれくらいの息の量や声量が適切か…」と難しさを説明。その一方で「これは普段から意識しているのですが、ただ歌うのではなく、一つ一つの言葉を大切に、音楽に合わせて『語るように歌う』ことを丁寧にすることで、これまで気付けなかった伴奏のピアノの小さな音にも気付けたり、いろいろと発見があって、幅広い視野でより音楽を楽しむことができるように思います」と面白さも明かした。

 今後の女優業については「ご縁を頂けるなら、ぜひ映像作品にもどんどんと挑戦させて頂きたい。千鶴子のように、いつか海外でも幅広く活躍できる表現者を目指して、常に進歩向上していけるよう頑張ります」と語った。

 一本筋の通った、たたずまい。そして、画面からあふれ出る存在感。「エール」に強力な助演女優が加わったことを実感した。


 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在はNHKなど放送局を担当。

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