侍“お菓子係”対決制した オリ・宮城「先輩として」意地の108球で球団初の交流戦完封&打点

[ 2023年6月5日 05:01 ]

交流戦   オリックス5-0中日 ( 2023年6月4日    バンテリンD )

<中・オ>完封勝利を挙げた宮城は結晶3ランを放った森(左)と笑顔でグータッチ(撮影・椎名 航)
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 涼しい顔で108球を投げきった。オリックス・宮城が中日打線相手に内野安打2本、無四球で二塁も踏ませぬ快投を見せ、両リーグトップの2度目の完封勝利。チームトップタイの5勝目を挙げ、チームを5月16日以来の首位に押し上げた。

 「低めの投げたいところに投げられていたのが良かった。(高橋)宏斗は結構、いいペースで投げていたし、先輩として早く降りるわけにはいかないと思ってやっていた」

 敵地のヒーローインタビュー。侍ジャパンのチームメート・高橋宏との緊迫した投手戦を制して胸を張った。5回2死から福永に内野安打を許すまで無走者投球。「いろんな球で勝負できた」と、最速149キロの直球とスライダー、侍でダルビッシュ(パドレス)から教わったフォーク、チェンジアップ、80~90キロ台のカーブを自在に操り、今季初の2桁奪三振も記録した。

 侍で一緒にブルペン陣の“お菓子係”を務めた1学年下の右腕との対決を楽しみにしていた。高橋宏の打席では宮城の登場曲「三線の花」(BEGIN)が流れる粋な演出。必死に食らいつく後輩を右飛と空振り三振に仕留めて貫禄を見せた。

 自らは高橋宏には3打席連続三振も、4点優勢の8回2死一、三塁で3番手・藤嶋から左前へ2年ぶりの安打となる適時打。プロ初打点をガッツポーズで喜んだ。「何を振ったのか分からないが、バットに当たって良かった。いっぱい(打点を)重ねていきたい」

 パ・リーグ投手が交流戦で打点を挙げて完封勝利を飾るのは3人目で、球団初。“二刀流”左腕の活躍で、チームは4カード連続の勝ち越し。14年以来9年ぶりのリーグ30勝一番乗りを中嶋監督となってからは最速の53試合目で決めた。指揮官も「(敵地で)勝ち越せたのは大きい」と手応えを口にした。(中澤 智晴)

【データ】
 ○…宮城(オ)が交流戦初完封で今季5勝目。8回には左前適時打でプロ初打点もマーク。パ・リーグの投手が交流戦で打点付きの完封は、06年八木智哉(日)の5月19日広島戦(降雨コールドで投球は8回)、15年武田(ソ)の6月4日DeNA戦に続く8年ぶり3人目。

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