国際武道大の1年生・若山が大会1号 初東京Dに「テレビでしか見たことがなかった」

[ 2023年6月5日 15:25 ]

全日本大学野球選手権 1回戦   国際武道大9―1広島経大 ( 2023年6月5日    東京D )

<広島経大・国際武道大>3回1死二塁、国際武道大・若山は右越え2ラン(撮影・小海途 良幹)
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 国際武道大・岩井美樹監督は強気だった。東京ドームでの開幕戦、緊張していたナインへのサインは「打て」と「待て」のみ。無言の激励である。21年には大学球界最多の700勝を達成した名将は「サインでがんじがらめにしても打てない」と確信していた。

 3―0の3回、6番・若山空蒼内野手(1年)が右越えへ大会1号の2ランで期待に応えた。チェンジアップを引っ張った弾丸ライナーの一撃。練習試合を含めてうれしい大学初本塁打に「東京ドームはテレビでしか見たことがなかった。素晴らしい球場で打てて誇らしい気持ちです」と大きく胸を張った。

 北海道釧路市出身。特別天然記念物のタンチョウが生息する自然豊かな大地が広がる。日本有数の水揚げ量を誇る港町でもあり「イクラが好きです」と言う通り、1メートル80、84キロの屈強な肉体は栄養たっぷりの魚介類を食べてつくりあげた。北星学園大付(北海道)では甲子園出場はならずも左の長距離砲として高校通算21本塁打を放ちプロ注目の存在に。最後の夏は南北海道大会で東海大札幌に敗れ、同年のドラフト2位で阪神入りした左腕・門別との対戦では無安打に終わり「自分のレベルでは足りない」と大学進学を決意した。

 3年後のドラフト指名を目指す男が、初の全国舞台で2安打2打点で打線をけん引。13安打9得点で8回コールド勝ちに導いた指揮官は「モノは良い。あのまま4年間いってほしい」と期待した。

 あす6日の2回戦はドラフト1位候補の右腕・常広ら強力投手陣を擁する青学大と激突。怖いもの知らずの1年生が優勝候補へ挑む。(柳内 遼平)

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