朗希に投げ勝ち!9回初完封で中継ぎ陣温存!阪神・才木に岡田監督賞決定「やらんと怒られるやろ」

[ 2023年6月5日 05:15 ]

交流戦   阪神2-0ロッテ ( 2023年6月4日    甲子園 )

完封勝利を飾り、梅野(右)の肩を抱いて笑顔の才木(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 「令和の怪物」に今季初の黒星をつけた。阪神・才木浩人投手(24)が、4日のロッテ戦で被安打3、12奪三振の圧巻の完封劇を演じて4勝目を挙げた。完封は自身2度目ながら9イニングでは自身初の完投、完封となり、相手先発・佐々木朗との投げ合いを制した。チームはロッテに連勝で貯金を今季最多タイの18とし、再進撃の号砲を鳴らした。

 「令和の怪物」に投げ勝ったことより、一人で投げ切れたことの方がうれしい。先発陣の柱を志す才木にとって、どうしても欲しかった9回完投、完封の実績。最後は2死二、三塁と一打同点のピンチを招いたが、中村奨を空振り三振に仕留めると、顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

 「最後、すごいドキドキでしたけど、何とかゼロで終わって良かったです。気持ちで攻めていきました」

 9回2死を取った時点で94球。100球以内の完封勝利、「マダックス」も間近だったが、そこから友杉に右前打、岡には右中間二塁打を浴びた。ただ、ここで最後の力を振り絞り、中村奨をフォークで3球三振。101球で投げ切り、12奪三振は自己最多だった。

 昨年9月1日広島戦で6回無失点に抑え、その裏に代打を送られた後に試合が降雨コールド。幸運な形で「プロ初完封勝利」を飾ったことはある。だが物足りなかった。前回5月28日の巨人戦では自己最長だった8回2死で交代を告げられ、マウンド上で思わず「マジかあ…」とつぶやいた。今回は9連戦の2戦目で、しかも中継ぎの柱の一人である岩貞が登録抹消となった日に正真正銘の完封劇。チームを助けた。

 「昨日(3日)、延長戦で中継ぎの人がフル回転していたんで、何とかイニングを稼いでちょっとでも休ませられたらいいなと」

 今季4勝目は自身の交流戦初白星。交流戦の完封は、球団では16年6月2日楽天戦(コボスタ宮城)での藤浪(アスレチックス)以来7年ぶりとなった。佐々木朗より球速は約10キロ遅くても、フォーク、カーブなどの変化球を効果的に駆使。対照的な“省エネ投球”で投げ合いを制した孝行息子に、岡田監督も「大きい(完封)。才木に(監督賞を)やらんと、そら怒られるやろ」と目を細めた。

 この試合は『Family with Tigers Day』として開催され、多くの家族連れが来場。自身は小学6年時の「マーライオンを見に行きました。楽しかった」とシンガポール旅行が一番の思い出と振り返る。快晴の日曜日に甲子園に足を運んだ野球少年にとっては、才木の勇姿が忘れられない思い出となったはずだ。 (山添 晴治)

【阪神VS朗希 公式戦VTR】
 ▽2021年5月27日●阪神4―6ロッテ◯(甲子園) 阪神は5回までに佐藤輝の先制適時打など佐々木朗に7安打を浴びせて4得点を挙げたが、2点リードの6回に先発・アルカンタラが3点を失い逆転を許した。終わってみれば5回4失点で降板した佐々木朗にプロ初勝利を献上。
 ▽2022年5月27日◯阪神1―0ロッテ●(ZOZOマリン) 公式戦2度目の対戦では、阪神打線は佐々木朗の前に7三振を喫するなど6回4安打無得点に抑えられた。それでも0―0の9回、佐藤輝が益田から値千金の決勝中越えソロを放ち、1―0で勝利を収めた。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月5日のニュース