関本賢太郎氏 朗希攻略した阪神 岡田監督流“やったらあかん”ことは口にしない、が奏功したのでは

[ 2023年6月5日 08:00 ]

交流戦   阪神2-0ロッテ ( 2023年6月4日    甲子園 )

<神・ロ>3回、ベンチから佐々木朗(手前)を見つめる岡田監督(左から3人目)(撮影・北條 貴史)
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 【関本賢太郎 視点】阪神にとってはプラン通りの佐々木朗攻略になったはずだ。低めは捨て、できるだけ球数を投げさせる。交代のメドは100球。4回で70球を投げさせたことが、6回の94球目での大山の先制適時打につながった。

 「低めに手を出すな」と言っても、プロの世界では、なかなかそれが徹底できない。佐々木朗クラスの投手だとリリース前にバットを振り出して、ストライクかどうかを判断し、ボールなら止めるという技術も必要になってくる。

 岡田監督が出す指示は、前回の監督時代もそうだったが、“やったらあかん”ことは口にしない。今回も「低めを打つな」とは言わずに、「高めを打て」と選手に伝えたと試合を見て感じた。禁止するより、やるべきことを明確にした方が理解度も高まる。ベンチの指示をしっかりと遂行した選手たちがつかんだ勝利だった。

 攻略プランを実行できたのも、才木の好投があったからこそ。先に相手に点を与えていたら、打席での辛抱もできなくなる。1巡目はスピンが利いた球でフライアウトを6個取り、2巡目はコーナーも攻めて7三振。尻上がりに調子を上げた。カウントを取るフォーク、空振りさせるフォークをしっかり使い分け、要所でのスライダーも効果的だった。

 佐々木朗との投げ合いを才木も意識していたはず。その中で101球完封は今後にも大きな自信になる。守りで大きかったのは7回無死一塁で中村奨を遊ゴロ併殺に仕留めたプレー。前日、少し乱れていた二遊間がきっちりと仕事をして才木をもり立てた。

 投打がかみ合い、束でかかって、チームとして勝つ手応えがあった試合。ハードな9連戦の中だが、これは意味ある1勝だ。 (本紙評論家)

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