日本ハム・野村 花咲徳栄同期の巨人・松井撃ち6号3ランで大勝貢献「意識は多少なりともありました」

[ 2023年6月5日 06:00 ]

交流戦   日本ハム10―3巨人 ( 2023年6月4日    東京D )

<巨・日>3回、松井から3ランを放つ野村(撮影・白鳥 佳樹)
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 同期撃ちだ。日本ハム・野村佑希内野手(22)が4日、埼玉・花咲徳栄時代の同学年でチームメートだった巨人先発・松井颯投手(22)から21試合ぶりとなる6号3ランを放った。不調で前日スタメン落ちの悔しさを晴らし、今季最多タイ14安打で今季初の2桁10得点の大勝に貢献。チームは今季182得点、177失点となり、新庄政権下で初めて得失点差が「プラス」に転じた。

 東京ドームのマウンドに、野村が高校3年間の苦楽を共にした旧友が立っていた。卒業から4年がたち、道のりは違えど、プロの舞台で再会。松井とは敵同士となり、特別な思いが胸にこみ上げた。

 「見ている(関係者の)方は複雑だったと思う。意識は多少なりともありました」。この日2度目の対戦となった1点リードの3回2死一、二塁。松井の147キロ直球を左翼席に運んだ。21試合、85打席ぶりの6号3ランで勝敗を決定づけた。

 花咲徳栄での野村は2年夏の甲子園で打率・520で全国制覇に貢献し、3年時はエースで4番。推薦入学の寮生で自身の華やかな活躍の陰で、一般入学の松井は自宅から通う4番手の控え投手だった。それでも、当時は投手同士球速を競い合う仲で「球自体は松井の方がいい球を投げていた」とも明かす。「大学で化けると言われていた。1軍で対戦できてうれしいし、高校のポジションからここまで上がってくるのも凄い」と尊敬の念を抱く。

 明星大を経て、育成指名からはい上がった松井が5月21日にプロ初勝利を挙げるなどした中で、自身は直近5試合で17打数2安打と不振に陥り、前日にはスタメン落ち。だが、新庄監督から「考えすぎじゃない?打撃練習から笑っていこうよ」と背中を押された。定位置の4番から6番に下がったが、2安打3打点に指揮官も「本当に放り込みやがった。期待に応えてくれるわ」と上機嫌だった。

 14安打10得点の大勝で、19年以来の交流戦開幕2カード連続勝ち越しに導き「いいきっかけにしていければ」と野村。交流戦で実現した同期対決で得た自信を、不振脱却の足がかりにする。(田中 健人)

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