阪神、残念…10連勝逃す 前回は“あのレジェンド”が10連投 伝説生んだ岡田監督の勘違いとは

[ 2023年5月31日 22:30 ]

2007年9月9日の巨人戦で10連投し、40セーブ目を挙げた阪神・藤川球児投手(左)は疲れきった表情で阪神・矢野輝弘捕手(右)と握手をする
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 阪神が31日の西武戦に0-4で敗れ、連勝が「9」でストップ。勝っていれば07年以来、16年ぶりの10連勝だったが、あと一歩のところで快挙を逃した。今回の快進撃で、度々話題となったのが、その16年前の連勝街道。前回も指揮官は岡田監督だったが、改めて、当時を振り返ってみる。

 前回10連勝は07年8月30日の広島戦から始まる。最終回に登板した藤川球児が、全19球のストレート勝負。最速155キロでの長期ロード明け、甲子園初勝利がドラマの幕開けだった。

 前年に連覇を逃し、悔しさをあらわにしていた藤川は、マウンドでとにかく腕を振り続けた。その中で“ドラマ”を生む予想外の出来事が起こった。5連投となった9月4日の横浜戦(甲子園)では4点リードの9回無死一塁で登板。実はこのシチュエーション、セーブ機会ではなく、抑えてもセーブは付かなかった。

 「セーブがつかへんのなら投げさせなかった。ちゃんと確認せなあかんな」と、試合後に岡田監督も苦笑い。結果的にこの勘違いが10連投につながった。

 首位を追う立場の阪神に“休息”はない。当時、トレーナー陣から「さすがにもう無理」の声も出た藤川の連投劇。しかし、祈る思いで岡田監督も起用し続けた。そして9連勝目となった巨人戦で首位奪取。翌9日の巨人戦で10連投10連勝という、レジェンドになった。

 「しんどかった。ほんましんどかった」と藤川も充実感の中に本音をにじませた。この10連投で2勝7セーブ。逆転優勝がおぼろげながら見え始めた9月下旬に8連敗を喫し、阪神は3位に終わった。

【07年の阪神10連勝の軌跡】
 (1)広  島○4―2
 (2)ヤクルト○6―4
 (3)ヤクルト○5―2
 (4)ヤクルト○3―2
 (5)横  浜○6―2
 (6)横  浜○3―2
 (7)横  浜○1―0
 (8)巨  人○9―8
 (9)巨  人○2―1
 (10)巨  人○9―8

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