オリ・由伸が復活の4勝　お立ち台で自虐！？「体調管理に気をつけてお過ごしください」

交流戦   オリックス4―0広島 （ 2023年5月30日    京セラD ）

＜オ・広＞今季4勝目を挙げた山本（撮影・須田　麻祐子）
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　頼もしいエースが帰ってきた。発熱による体調不良での登板回避から中16日で先発したオリックス・山本が、今季最長の8回で101球を投げ、2安打、無四球、無失点。完全復活を印象づける圧巻の投球で今季4勝目を挙げ、爽やかな笑顔を見せた。

　「交流戦の初戦でカード頭でもあったし、絶対勝つという気持ちで準備してきた。四球がなかったのが一番良かった。力みなくいいバランスでいい投球ができた」

　球威、切れ、制球とも抜群だった。直球の最速は156キロをマークし、低めに鋭く落ちるフォークで内野ゴロの山を築いた。120キロ台のカーブも有効に使い、初回の秋山から2回の林まで4者連続三振を奪った。今季は制球に苦しむ試合もあったが、この日は全ての球種を自在に操る好調時の姿が戻った。

　アクシデントに見舞われたのは19日だった。「まあまあ出ました」という発熱で、20日の日本ハム戦の先発を回避。幸いにも熱はすぐに下がり、翌21日から体を動かし始めた。「意外と体が戻るのも早かったし、そこが唯一、良かった」。大阪・舞洲の球団施設で丁寧に時間をかけて調整し、リベンジの時を待った。

　先発投手として誇れる記録もつくった。この試合がプロ入り102度目の先発で100度目の「5回以上投球」を達成。「回避して凄く迷惑かけてしまったので、しっかり勝って何とか取り返せたら」とさらなる活躍を誓った。

　中嶋監督からは、「まず、どのぐらいまで投げられるのかなと思ったんですけど。まあ、いいペース配分かなと思いますけどね」とホッとした様子で称えられた。チームは交流戦白星発進で、広島戦は18年から13連勝。帰還したエースは、お立ち台からファンへ「体調管理をしっかり皆さん気をつけてお過ごしください」と実感がこもったメッセージを送った。（中澤　智晴）