広島 “奇策”右が苦手の由伸に…左ズラリ和製打線不発 今季最少2安打でVSオリ13連敗

[ 2023年5月31日 06:30 ]

交流戦   広島0―4オリックス ( 2023年5月30日    京セラD )

<オ・広>7回、遊飛に倒れる松山(投手・山本)(撮影・成瀬 徹)
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 プロ野球の日本生命セ・パ交流戦は30日、各地で6試合が行われて開幕した。広島は0―4でオリックスに敗れて2年連続の黒星スタート。今季最少の2安打で6度目の零敗を喫した。オリックス戦は18年から13連敗。打線は低空飛行を続けている主砲のライアン・マクブルーム内野手(31)を19日の阪神戦以来、今季2度目のベンチスタートとし、4番に松山竜平外野手(37)を起用した。2~9番まで左打者を並べる“奇策”で臨みながらも相手先発の山本攻略に失敗した。

 新井監督の思いきった用兵は実を結ばなかった。今季最少の2安打で6度目の零敗。19日の阪神戦(甲子園)以来、今季2度目の和製打線で好右腕攻略に挑みながらも結果は不発に終わった。

 「数字ありきじゃなしに、今の左打者の状態、右打者の状態というのも見て、スタメンに決めた。(マクブルームのベンチスタートは)ここ数試合の打席での内容を見て、総合的に自分が判断した」

 敗戦後に指揮官は起用法について言及した。開幕から45試合に4番として出場していたマクブルームは今季2度目のベンチスタート。直近5試合で16打数2安打(打率・125)、1打点。本塁打も18日のDeNA戦(横浜)以降、8試合31打席も遠ざかっていた。山本とは22年6月4日の対戦で左中間二塁打を記録。通算2打数1安打も、指揮官は2年目の助っ人を先発から外す決断を下した。

 また、相手先発の山本は試合前の時点で今季は左打者の被打率が・164に対し、右打者は・319と苦戦していた。数字が示しているにもかかわらず打順では2~9番まで左打者を並べた。データ重視ではなく、あくまでも攻撃陣の状態を見極めた上での最善策とした打線で挑んだ。

 しかし山本の状態が上回った。150キロを超える直球とストライクゾーンからボールゾーンに鋭く落ちるフォークの対応に苦しめられ、初回~3回までは無安打に封じられた。4回1死から西川がチーム初安打となる右前打を放ち、起点をつくるも、続く秋山が空振り三振。最後は松山も二ゴロに倒れて攻略の糸口を逸した。

 「球界を代表する投手にいい投球をされると、なかなか打てるものじゃない。特にフォークの精度が凄く良かった。投げミスがほとんどなかった」

 指揮官も脱帽するしかなかった。7回1死一塁では松山が3ボールから強攻する(結果は遊飛)など各打者とも狙い球を直球に絞って、積極的な攻撃を仕掛けた。それでも結果は無得点で“奇策”も空転。18年から白星がないオリックスに、この夜も苦汁をなめた。31日の第2ラウンドで必ずやり返す。(長谷川 凡記)

 《14連敗なら球団ワースト》広島はオリックスとの交流戦で18年から13連敗。同一カードで13連敗以上は、50~51年大洋戦14連敗、66~67年阪神戦14連敗、09年中日戦13連敗に続く4度目。31日も負けて14連敗なら56年ぶりの球団ワースト記録に加えて、DeNAの08~12年オリックス戦14連敗に並ぶ、交流戦ワースト記録の屈辱となる。

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