能見篤史氏 直球のキレと配球の工夫で、パの打者も見事に攻略 8回まで無四球はさすが

[ 2023年5月31日 07:45 ]

交流戦   阪神3―1西武 ( 2023年5月30日    ベルーナD )

<西・神>2回、村上は源田を一ゴロに打ち取る(撮影・大森 寛明)
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 【能見篤史 視点】村上の直球が西武相手にも通用するか注目したが、全くの杞憂(きゆう)に終わった。パ・リーグの各球団はオリックスの山本由伸や山下舜平大、ロッテの佐々木朗希ら剛腕と呼ばれる投手と対戦して160キロ級の真っすぐは何度も見て、慣れているはず。それでも村上は真っすぐで空振りを奪い、ファウルも取って追い込んでいた。球速こそ140キロ台でも、打者の手元ではかなり力強い。映像などで対策もされているが、それを上回る切れだったのだろう。

 ベルーナドームのマウンドは他球場より、あまり角度を感じない。力を入れると球が上ずる傾向があり、初回2死からの外崎と2回1死からの源田には珍しく2ボールとしていたが、すぐに修正できる制球力、対応力は大したもの。8回まで無四球はさすがだ。

 対戦2巡目からは特にカットボールを増やし、変化球を多めにしていた。逆に最後は真っすぐ勝負など配球パターンも1巡目と入れ替えるなどバッテリー間での工夫も功を奏している。

 ここまで7度の先発機会で調子の悪い時がない。どんな投手でも普通は何回かに一度は良くない時があるもの。もしかしたら、この日がそうだったのかもしれないが、それでも崩れない。その域だとすれば、村上も、そしてチームも勝ち数は増え続けていく。(本紙評論家)

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