「藤田を勝たせてやろう」 智弁学園が一丸でエースに白星 自らも適時打放ち宿敵撃破「負けたくない」

[ 2023年5月14日 04:00 ]

春季高校野球奈良大会決勝   智弁学園8-4天理 ( 2023年5月13日    佐藤薬品スタジアム )

<智弁学園・天理>8回に右前適時打と相手の適時失策で3点を追加してガッツポーズする智弁学園・藤田健人(撮影・河合 洋介)
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 各地で決勝が行われ、奈良は智弁学園が21年以来2年ぶり17度目の優勝を決めた。昨秋王者の天理を8―4で下し、近畿大会(27日から4日間、大阪シティ信用金庫スタジアム)の出場権を得た。

 智弁学園が県内最大のライバルを下して頂点に立った。背番号1の右腕・藤田健人(3年)は、弱気な自分に打ち勝った。「天理には負けたくない気持ちが強かったです」。9安打を許したが、4失点完投。3―4の8回無死満塁で迎えた打席では右前への適時打を放つと、右翼手の後逸も重なり一挙3点と逆転につなげた。

 昨秋は準決勝で天理に敗れた。背番号10だった藤田の登板は大会通して1イニングのみ。小坂将商監督からは「精神面が弱い」と指摘された。オフは投手陣の先頭に立ち自らを追い込んだ。下半身主導の投球フォームを習得すると、結果も伴った。今回の決勝前、監督は選手にこう伝えた。「藤田を勝たせてやろう」。昨年から見違えた姿でナインを奮い立たせ、背番号1の役割を全うした。 (河合 洋介)

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