ヤクルト長岡「水かけられるの憧れだったんですけど…」 予想外過ぎて?準備なし、サヨナラ2ラン

[ 2023年5月5日 18:29 ]

セ・リーグ   ヤクルト10―9DeNA ( 2023年5月5日    神宮 )

<ヤ・D>鯉のぼりを手に笑顔の長岡(撮影・島崎忠彦)
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 ヤクルトの長岡秀樹内野手(21)が大仕事をやってのけた。

 敗れれば、借金が今季初の4までふくらんでしまう大事な一戦。序盤から両軍とも本塁打を打ち合い、その数は8回まで双方5本塁打ずつの合計10本塁打だった。

 だが、壮絶な打ち合いはついに劇的なフィナーレを迎える。8―9で迎えた9回だ。試合前までリーグ最多9セーブを挙げている相手守護神・山崎の前にサンタナ、中村が倒れて2死走者なし。敗戦まであと1死となったが、諦めなかった。

 オスナがこの日3安打目となる左前打を放って出塁(代走・並木)。ここで打席に入ったのがそれまで2安打していた長岡だ。山崎が2ボールから投じた3球目、スプリット。これを右翼スタンドへ叩き込んだ。長岡はこれが今季1号で、プロ通算10本塁打目。プロ4年目で初めて放ったサヨナラ打が逆転サヨナラ2ランというあまりに劇的な一発となり、ホームで出迎えたチームメートたちからもみくちゃになって祝福された。

 場内の興奮冷めやらぬまま、お立ち台に上がった21歳。両軍合わせて11本塁打を含む29安打が飛び交った3時間48分の激闘の末、自らの一発で決着をつけた感想を聞かれると、まずは「長かったっす…」と実感こもる一言が口をついた。これでスタンドの爆笑をさらうと、「まず塁に出ることを意識して入りましたし、やっぱり並木さんがランナーだったんで、ちょっと速いまっすぐ系がくるかなと思いながら」と打席に向かった時の心境に触れた。

 打った瞬間、手応えがあったのでは?という問いには「いや。上がり過ぎたかなと思ったんですけど、ちょっと風が…。風のおかげです」と感謝。

 大喜びのナインが待つホームに凱旋する際には「水かけられるの憧れだったんですけど、あの…。“予想外過ぎて準備してなかった”って言われました」とがっくり。再びスタンドの爆笑をさらい、高津監督やチームメートの反応についても「“風のおかげだぞ”と。ほめてもらえませんでした」と明かし、こどもの日とあってどうやったらプロ野球選手になれるのかアドバイスを求められると「たくさん練習して、たくさん寝ることっすかね」と話して最後まで笑いを誘うヒーローだった。

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