借金阻止 ソフトB栗原サヨナラ打!無死一、二塁でバント考えた主砲 「打て」のサインで覚悟決めた

[ 2023年5月5日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク8ー7オリックス ( 2023年5月4日    ペイペイD )

<ソ・オ>サヨナラ打を放った栗原は周東と抱き合って喜ぶ(撮影・中村 達也)
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 栗原が止めた!ソフトバンクは4日、オリックスに8―7でサヨナラ勝ちし、連敗を4で止めた。栗原陵矢外野手(26)が延長11回無死一、二塁で中越え適時打を放って試合を決めた。負ければ2年ぶりの借金を抱えるピンチだったが、栗原の今季2度目となるサヨナラ劇で阻止。ペイペイドームの定員となる4万62人の大歓声にも後押しされ、3度もリードを奪われながら必死に食らいつき、8投手をつぎこんだ総力戦をものにして3位に浮上した。

 栗原はスパイクで打席をならしながら少し迷っていた。打つべきか、送るべきか。7―7で迎えた延長11回無死一、二塁。オリックスの7番手・平野佳と対峙(たいじ)すると腹をくくった。

 「打つしかない」

 カウント2―1から147キロ直球を振り抜いた打球は中堅手の頭上を越えた。今季2度目のサヨナラ勝ち。チームの連敗を4で止めたヒーローは一、二塁間で倒れ込んで、仲間たちにもみくちゃにされた。

 「ノーサインでも本当に(バントを)やろうかと思っていた。監督から“打て”のサインを出してもらったので覚悟を決めていこうと思った」

 栗原はレギュラーに定着した21年に11犠打を記録している。日本代表が金メダルを獲得した同年の東京五輪では、準々決勝の米国戦で代打で送りバントを1球で決めた。4連敗中は16打数3安打、打率・188で打点、本塁打ともになく、「自分の状態を考えたらチームが勝つためにはそっちの方がいいかなとも思った」。サヨナラの場面では迷いを捨て去り、藤本監督の信頼に応えた。

 3度リードを奪われながら8投手を投入して食らいついてのサヨナラ勝ち。前回4月11日の日本ハム戦も、栗原がサヨナラ犠飛で試合を決めた。鷹のサヨナラ男は「昨日、おとといと、ふがいない試合をしてしまったので勝てて良かった」とお立ち台で声を上げ、ゴールデンウイークで満員のスタンドから熱い声援を受けた。

 劇的な一打は21年シーズン終了時以来となる借金生活に入るのを阻止した。延長11回は先頭・近藤が四球で出塁し、続く柳田が中前打でつなぎ、栗原が決めた。藤本監督は「栗原に送りバントは一切考えなかった。立派なクリーンアップ。今日はもう絶対に勝ちたかった。しんどい試合だったけど良かった」とホッと胸をなで下ろしていた。

 栗原は初回に2点左前打、4回に遊撃内野安打を放ち、今季2度目の猛打賞を23試合ぶりにマーク。「もっともっと結果で示していかないと」と逆襲へ力を込めた。(森 寛一)

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