阪神・青柳 初回3失点もエースの意地見せた「ボール自体は良くなった」“ゴロ凡打”量産に手応え

[ 2023年5月3日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1-3中日 ( 2023年5月2日    甲子園 )

5回、好守を見せた中野に笑顔の青柳(撮影・岸 良祐)
Photo By スポニチ

 エースの意地が詰まった粘投だ。阪神・青柳は初回につまずきながら、3試合ぶりのクオリティースタートとなる6回6安打3失点。復活の1勝は手にできず3敗目を喫したが、不振脱却へ向けて確かな一歩を踏み出した。

 「前回に比べたら、だいぶボール自体は良くなったと思うので、6回3失点で終わったのかなと思います」

 立ち上がりは悪夢を予感させた。先頭の岡林から3連打を浴びて無死満塁。石川昂の投ゴロで1死を奪ったものの、続く細川には右翼へ先制2点適時打を許した。なお1死一、三塁で続く溝脇は二ゴロ併殺に仕留めて追加点を阻んだ…かに思われたが、中日ベンチのリクエストで一塁アウトの判定が覆って3点目を献上。いきなり流れを手放す形となったが、2回以降は尻上がりに調子を上げた。

 不調時は鳴りを潜めていた持ち味の“ゴロ凡打”でアウトを積み重ね、2回以降、許したのは1安打のみ。バックの再三の好守にも支えられ、追加点は与えなかった。だからこそ、悔やまれる初回の乱調。ここまで零敗8度と極度の貧打に陥っている中日相手に、早くも自身2敗目となった。前日には「見ものやで」とプロ最短2回2/3を4失点KOされた4月21日・中日戦からの変わり身に期待した岡田監督も「結果の通り(立ち直った)。そう考えると初回もったいないとなるわけやんか」と悔しがった。

 だから青柳自身も当然、満足はしておらず「(試合をつくっても)求められているレベルはそこじゃない。チームが負けたのは自分の責任」と唇をかんだ。とはいえローテーション再編で生まれた中10日の調整期間でフォーム修正に取り組んだ成果が出たことも確か。「感覚的には(前回より)良く投げられた」と、うなずいた。

 背番号17のフル回転なくして頂点は見えてこない。本来の姿に戻る日は近づいている。(遠藤 礼)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年5月3日のニュース