阪神・佐藤輝 「5月男」反攻へ二塁打2本 GWイベント残り2試合、みんなの前で「ホームラン打ちたい」

[ 2023年5月3日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1-3中日 ( 2023年5月2日    甲子園 )

試合開始直前、佐藤輝が子供に言葉をかける(撮影・岸 良祐)
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 阪神は2日の中日戦(甲子園)に1―3で敗れて連敗し、5月を黒星発進した。敗戦の中、光明は、2二塁打1打点と躍動した5番・佐藤輝明内野手(24)だ。聖地に詰めかけた子供たちへ勇姿を披露した和製大砲は、スコアボードがひらがな表記になるなど「ゴールデンウィーク こどもまつり」と銘打って開催される今カード残り2試合で「ホームランを打ちたい」と力強く宣言。昨季まで月別最高の打率・281、同31打点を誇る「5月男」。今年も最初の3連戦から、本領発揮を期す。

 劇勝を信じて声をからす少年少女の前で、むざむざと引き下がるわけにはいかない。2点を追う9回1死。佐藤輝は、中日の守護神・マルティネスとの真っ向勝負に打ち勝った。チェンジアップ、スプリットを見送り、カウント2ボール。バットをへし折りにきた内角153キロを引っ張り込んだ打球は、一塁・ビシエドを強襲。打球は右翼線へ抜け、悠々と二塁へ達した。4月21、23日の名古屋決戦では手も足も出なかった右腕に対し、“三度目の正直”となる一撃を見舞った。

 「強い当たりでよかった。打率も低いんで、どんどん上げていきたい」

 依然、打率・229にとどまるものの、確実に状態は上向いている。4回1死一塁から放った左中間適時二塁打も、福谷が投じた外角高めツーシームを逆らわずに逆方向へ。9回の二塁打を含め、チーム唯一の複数安打と気を吐いた。加えて4月29日ヤクルト戦での2本塁打など、直近5試合で3度目のマルチ安打。快音と快音のスパンは、着実に短くなってきた。岡田監督も「調子が上がってるから、そら打つよ」と、“当たり前やん”と言わんばかりだ。

 今年も「5月男」が目を覚まそうとしている。過去2年、5月は通算43試合で月別最高の打率・281、31打点を残し、11本塁打も2位と他の月と比較しても圧倒的な好成績を残している。特に、ここ数年、滑り出しの時期に催される「ゴールデンウィーク こどもまつり」では余計に力が入る。佐藤輝が「さとうて」のように、スコアボード表記がひらがなになるなどの人気イベント。大観衆が戻った黄金週間に、24歳が燃えないわけがない。新型コロナ下で無観客開催ではあったが、ルーキー年の21年の同イベント期間は広島戦2試合で計9打数4安打、1本塁打、6打点。その1本塁打はプロ野球史上初「新人4番デビューでの満塁弾」の箔(はく)が付いた。逆襲を期す残り2試合。目を輝かせる子供たちの前で「一番はホームランを打ちたい」と断言した根拠には確かな実績と右肩上がりの状態がある。

 きょう、あすは祝日のデーゲーム。五月晴れの下、胸を躍らせて甲子園に駆けつける少年少女へ向け、「さとうて」が約束の特大アーチを届ける。(八木 勇磨)

《恒例イベント始まる》
 恒例の「ゴールデンウィーク こどもまつり」が2日の中日戦(甲子園)から始まった。4日までの期間中、大型ビジョンの選手名が、ひらがな表記になる。また子供向けイベントが各種あり、子供スタジアムMCが試合前の守備位置を紹介し、抽選で選ばれた9人が守備に就くスタメン選手を各ポジションで出迎えた。各日先着7000人に子供用ユニホームがプレゼントされるほか、勝利の際はお立ち台のインタビュアーも務める。

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