西武・森 母校・大阪桐蔭との4度目W頂点へV弾!通算100本塁打に王手

[ 2022年8月17日 05:30 ]

パ・リーグ   西武2―0ソフトバンク ( 2022年8月16日    ベルーナD )

<西・ソ>4回、先制2ランを放つ森(撮影・長久保 豊) 
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 西武は16日、森友哉捕手(27)の5号2ランによるリードを守り抜き、2―0でソフトバンクとの首位攻防3連戦初戦を制した。母校・大阪桐蔭はこの日の3回戦・二松学舎大付(東東京)戦も快勝し、今夏の甲子園の優勝候補の筆頭に挙がる。卒業生が多く活躍する西武と同校の成績は意外な相関性があり、過去5度の夏の甲子園優勝年には西武が3度のリーグV。4年ぶり4度目のダブル優勝へ向け、後輩たちの活躍も刺激に突き進む。

 丸刈りだった頭は金髪になったが、大阪桐蔭で築いた礎は不変。森は、首位攻防3連戦の初戦を「絶対負けられない」と甲子園並みの決意で臨んだ。

 「(大阪桐蔭が)むちゃくちゃ強いので、自分たちもむちゃくちゃ強いチームを…頑張ります」。お立ち台での言葉に、母校への意識がのぞいた。捕手部門で初のベストナインに選出された18年、西武と母校が「ダブル優勝」を果たした。その時以来、4年ぶり4度目のダブル優勝へ向け気合を入れ直した。

 同校の部訓は「一球同心」。チームの心を一つに、一球一球に思いを注ぐ。2年時の12年には藤浪(現阪神)とのバッテリーで春夏連覇を達成。卒業後プロ9年目を迎えたが、まさに一振りで勝利に導く打撃を実践した。

 相手先発の石川には、7月3日に1安打完封勝利を許していた。唯一の安打で一矢報いたのが森だった。「テンポがいいので構え遅れないようにした。久しぶりに芯に当たった」。この日も好機らしい好機がない中、4回無死一塁で失投を仕留めた。直球を右翼席上段に運ぶ、決勝の5号2ラン。通算100本塁打に王手をかけた。

 高校時代は小さな円形のトランポリンの上でティー打撃を行う独特の練習メニューがあった。不安定な足元でもグラつかない強い下半身ができた。現在もバランスディスクに左足一本で乗り、ぐらつくのをこらえてからバットを振る。プロでも当時のドリルの延長線がスイングの支えだ。

 後輩のどこが強いと感じるのか。「自分のやるべき仕事を分かっている。それが団結力。チームとして強い」と分析した。それは今の西武の姿でもある。捕手としては4投手による完封リレーに導いた。辻監督が「インコースに投げられなかったらこの世界生き残れない」と語った強気のリードで引っ張った。

 母校が夏の甲子園を制したのは5度。うち3度で西武はリーグ優勝してきた。球団では中村、浅村(現楽天)、岡田ら同校出身の選手が多く活躍し、大阪弁が所沢で飛び交う。森は「優勝目指して頑張る。(今週の本拠地6連戦を)6連勝する」と声を上げた。2位ソフトバンクと2・5ゲーム差に広げ、ダブル優勝へ互いに前進。西武と母校の奇妙な相関性が、今年はさらに深まる。(神田 佑)

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2022年8月17日のニュース