聖光学院・安田 新庄イズムで決勝2ラン!6年ぶり8強進出導いた 日大三、横浜に続きまた強豪撃破

[ 2022年8月17日 04:04 ]

第104回全国高校野球選手権大会第11日・3回戦   聖光学院8―1敦賀気比 ( 2022年8月16日    甲子園 )

<敦賀気比・聖光学院>3回表1死一塁、聖光学院・安田は勝ち越しとなる2ランホームランを放ちガッツポーズ(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 3回戦4試合が行われ、ベスト8が出そろった。聖光学院(福島)は14安打8得点で昨年8強の敦賀気比(福井)に大勝し、6年ぶりの8強進出。安田淳平外野手(3年)が、日本ハム・新庄剛志監督(50)の著書に学んだポジティブ思考で決勝2ランを含む2安打3打点と奮闘した。

 チャンスは大好物。01年メッツでの現役時代に「チャンスでしか打てないバッターと思われたい」との名言も残したビッグボスばりに、おいしい場面で安田が燃えた。

 初回1死二塁では低めのチェンジアップを右中間へ運ぶ先制二塁打。1―1の3回にはスライダーを捉えて右越えの勝ち越し2ランとし「後ろにつないで、ここからいくぞという気持ちで打席に入った。変化球に対応できたことは自信になった」と汗を拭った。

 高1の冬、寮生活をする安田に、「自分が読んで面白かったので。いろんな考え方を学べると思いました」と父・真也さん(53)から仕送りが届いた。その中には、日本ハム・新庄監督が06年以来の現役復帰を目指していた20年に出版した著書「もう一度、プロ野球選手になる。」があった。

 「自分はネガティブで、マイナス思考になることも多かった」と安田。「新庄さんは前向きで凄く刺激的。打撃でも、凡退が次に飛躍するためのワンシーンだなと考えるようになった」と新庄流の思考を学んだ。高2の秋、この本をテーマに「明るく、生きる」と題した自らの体験記を執筆。「学校の宿題で提出したものです」と謙遜したが、作品は全国高校生読書体験記県選考会で表彰された。

 1回戦の日大三戦では無安打。不調に悩んでいたが、前向きに切り替えた。「ガツガツ振っていくしかできないと思った。それが原点であり、頂点なのかなと」。2回戦の横浜戦で先制打を放ち、復調の兆しを見せていた。斎藤智也監督は「決して器用な男ではないが、真っすぐ突き進む強さを持っている。努力が報われて良かった」と笑みを浮かべた。

 日大三、横浜に続き敦賀気比と強豪を次々と撃破。次の相手は九州学院で、過去に春夏合計で5度はね返されている準々決勝の壁に挑む。「自分たちが本当に目指しているのは日本一」と安田の視線は、その先へ向けられている。(後藤 光志)

 ◇安田 淳平(やすだ・じゅんぺい)2004年(平16)9月14日生まれ、東京都出身の17歳。小3時に上篠崎ムスタングクラブで野球を始め、篠崎中時代は江戸川中央シニアでプレー。聖光学院では2年秋からベンチ入り。1メートル76、76キロ。右投げ左打ち。

 ≪東北勢2校が8強 宮城&福島は初≫8強が出そろった。東北勢2校進出は19年の八戸学院光星、仙台育英以来3年ぶり10度目だが、宮城勢と福島勢の組み合わせは初めてとなった。ともに4強に進出すれば13年の花巻東、日大山形以来3度目となるがどうか。近畿勢も2校進出。近畿の複数校8強は4大会連続だ。近江と大阪桐蔭は今選抜の決勝進出校。選抜決勝進出2校の夏8強は12年の大阪桐蔭、光星学院以来10年ぶりとなった。また、関東・東京勢は昨年に続き準々決勝に1校も進めず。2年連続は68、69年以来53年ぶりだ。

続きを表示

2022年8月17日のニュース