落合博満氏 村上打法は真似していい? “神主”の使い手が語るスイングの多様性

[ 2022年8月17日 17:05 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が17日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。「落合博満が現役選手の連続P(写真)をのらりくらり解説!」と題して、日本球界を代表する打者の打撃フォームをオレ流の視点で分析。第3弾はヤクルトの村上宗隆内野手(22)について語る中で、アッパースイングが主流となりつつある野球界の現状について言及した。

 村上のフォームの連続写真を見る落合氏。まず振り始めの部分について着目し「(両手が)左脇手前に落っこってくるんだよね。(ダウンスイングの軌道のように)胸上部の手前が理想なんだけど。あくまで“オレの中”でだよ。それが左脇手前に下りてくるってことは、どうやっても下から(アッパースイング)っていう風になっちゃうんだろうね」と解説した。

 世界的に長距離砲の地位を確立したエンゼルス・大谷や、以前この企画で打撃解説をした西武・山川や巨人・岡本和と同じく、村上もアッパー気味のスイング軌道。小中学生が、結果を出している選手のフォームを真似することで勘違いを起こす可能性を指摘するスタッフに、落合氏は「昔で言えば王さんの一本足と、落合の打ち方と、イチローの打ち方だけは、“絶対に真似するな”と言われてたけども、真似する子供たちが多かったということでしょう。でもそれが積み重なって、自分の体に染みついて、それを直せなくなるっていうような現状も起きつつあるということ」と、自身も含めた過去の大打者の例を踏まえ回答した。

 「何が理想なのかよく分からなくなってくる。アッパースイングにはアッパースイングの、レベル(スイング)にはレベルの、ダウンスイングにはダウンスイングの基本があるんだろう、という風に思うしかないじゃん。実際にホームランを打っているバッターは、こういう打ち方(アッパースイング)をするのが多いってことは事実なんだろうから」。自身は神主打法をベースに打撃を確立し、圧倒的な実績を残した落合氏。スイングの形が多様化してきた現状を踏まえ「“自分の表現したいように表現しなさい”というような、指導方法に変わってきたんじゃないのかなとは思うけどね」と、トレンドの根底にある指導方法の変化も指摘した。

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