阪神・佐藤輝 6番降格に“燃えた”フェン直三塁打含む8月初のマルチ「目の前の1打席をがむしゃらに」

[ 2022年8月17日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3-5ヤクルト ( 2022年8月16日    神宮 )

<ヤ・神>7回無死、佐藤輝は中前打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 阪神は16日、ヤクルトに3―5で敗れ、2012年以来10年ぶりとなるシーズン2度目の7連敗を喫した。74試合連続で務めた4番を明け渡した佐藤輝明内野手(23)は今季初の6番降格に発奮。フェンス直撃の左中間三塁打を含む2安打を放った。8月に入って初のマルチ安打こそ復調の起点。7月18日以来の5位転落となったチームを救う。

 6番降格に燃えないはずがなかった。佐藤輝が5月7日中日戦から74試合連続で座り続けた4番の座を、ついにロハスに明け渡した。理由はシンプルにただ一つ。極度の打撃不振が招いた屈辱は、自らの快音で取り戻すしかなかった。

 「しっかり思いきり振り抜くことだけだと思って、打席に入りました」

 久々にらしさを発揮したのは、4回の第2打席だった。カウント1―1から高梨が投じた外角高め直球をジャストミート。グングン加速した打球は、左中間フェンスの上部に直撃した。中堅手・丸山和が打球処理をもたつく間に、一気に三塁へ到達。これが11日DeNA戦の第2打席以来、実に16打席ぶりの安打だった。

 たまった鬱憤(うっぷん)を晴らすには、まだ満足できない。7回先頭では、梅野の高め直球を今度は中前へはじき返した。8月13試合目にして初のマルチ安打をマーク。チームの連敗は7まで伸びたが、きょう17日以降に希望の光をともした。

 「まあまあ(打撃の)いい悪いはね。シーズン中でずっとあるし、その中で修正して。そういう2本のヒットになれば。今日の練習でもいい形で打ってたなと思うので、きっかけにしてもらえたらいい」

 矢野監督の表情にも、わずかながら安堵(あんど)の色が浮かんだ。前カードの中日3連戦を終えた時点で、8月の月間打率は39打数4安打の・103。0本塁打、5打点と寂しい数字が並び、14日中日戦の試合前には指揮官から直接指導を受ける場面もあった。思えば、昨夏も8月22日から10月3日まで、セ・リーグ記録となる59打席連続無安打を経験。指揮官は期待を込めて、言葉を続けた。

 「(調子が悪いのは)誰だって分かる。それをどうしていくかの方が難しい。でも、そういう時間を短くしていくことが安定した成績を残して、これからの輝の課題になる」

 大山、中野、近本の主力3人を欠く中、果たすべき役割は大きい。「チームが勝てるように、目の前の1打席をがむしゃらにやっていくだけです」。7月18日以来の5位転落。窮地を救うべく、真価を発揮するのはここからだ。(石崎 祥平)

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