【高校野球 名将の言葉(13)東海大相模・門馬敬治監督】「どこよりも速く、山を下りるぞ」

[ 2022年8月17日 08:00 ]

東海大相模を率いて甲子園で4度頂点に立った門馬監督
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 21年4月1日。選抜決勝で明豊にサヨナラ勝ち。優勝を飾った東海大相模の門馬敬治監督は、甲子園を去る前に、選手たちに声を懸けた。「この景色を絶対に忘れるな。夏に絶対に戻って来るぞ」。

 甲子園での優勝は00年春、11年春、15年夏に続き4度目。頂点からの景色は、頂上に立った者にしか分からない。余韻に浸りたくなるのは当然だ。そんな中、門馬監督は宿舎でのミーティングで、こんな言葉を懸けた。

 「どこよりも速く、山を下りるぞ」

 優勝した日に、すでに次なる戦いに目を向ける。慢心せず再び頂上を目指す。伝統校の強みと言える。東海大相模の代名詞でもある「アグレッシブベースボール」は、どの試合でも変わらなかった。春夏連覇が懸かった昨夏は、コロナの影響で神奈川大会準々決勝を辞退。思わぬ形で夢は断たれ、門馬監督は夏限りで退任したが、甲子園通算30勝7敗。勝率・811をマークしたのは、巧みな切り替え術の証だろう。

 門馬監督はこの秋から、創志学園(岡山)の監督に就く。どんな野球を浸透させるのか、注目が集まる。甲子園で東海大相模と対戦する日を、高校野球ファンは心待ちにしている。(川島 毅洋)

 ◇門馬 敬治(もんま・けいじ)1969年(昭44)12月18日生まれ、神奈川県出身の52歳。東海大相模では3年時に主将を務め夏の神奈川大会準優勝。東海大を経て99年4月に東海大相模の監督に就任。選抜は00、11、21年に優勝。夏は15年に優勝。甲子園通算30勝7敗。21年夏に退任。今秋から創志学園(岡山)の監督に就任する。

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2022年8月17日のニュース