前創志学園監督の名将・長沢宏行氏、兵庫・篠山産監督に「公立高で一からやる」 丹波篠山市でスポーツ振興

[ 2022年8月17日 13:46 ]

創志学園・長沢監督
Photo By スポニチ

 今夏の甲子園大会出場を最後に創志学園(岡山)監督を退任した長沢宏行氏(69)が兵庫県丹波篠山市にある県立篠山産の監督に就任することが17日、分かった。正式就任は10月。同市の要請を受け、スポーツ振興に取り組む。

 長沢氏は「私学からの誘いもあったが、公立で一からやってみたい気持ちが強かった。勝つことばかりではなく、人格形成や人作りに励みたい。甲子園は年々、私学優位が進んでいるが、公立でも、まだまだやれるということを示したい」と話した。

 そして「丹波篠山は私の祖先が暮らしていた所。ルーツというご縁があった」。長沢氏の父が旧西紀町(現丹波篠山市)出身。古くは室町時代に先祖が住んでいた記録があるという。
 また、全国の女子中学生らを対象に自身の名を冠した「長沢ソフトボールキャンプ」を開催するなど、同市との交流があった。2年前から酒井隆明市長(67)から同市内にある県立高野球部の指導を要請されていた。

 長沢氏は市西宮高野球部で主将。日体大ソフトボール部でインカレ優勝。1996年アトランタ五輪ソフトボール日本代表のヘッドコーチを務め、夙川学院女子ソフトボール部監督として全国高校総体(インターハイ)8度をはじめ幾度も全国優勝に導いた。

 2003年、神村学園(鹿児島)硬式野球部監督に就任し、05年春の選抜大会で準優勝。環太平洋大(岡山)監督を経て、10年就任の創志学園を創部1年で11年春の選抜大会に導いた。西純矢(阪神)、高田萌生(楽天)、難波侑平(日本ハム)ら多くの教え子がプロ入りしている。

 今夏限りでの退任を表明して臨んだ甲子園大会は7日の1回戦で八戸学院光星(青森)に3―7で敗れた。

 「創志の選手らと別れてまだ10日ほどしか経っていないが、無性に寂しくなる。やっぱり、子どもたちに元気をもらっていたんだなあとつくづく思う」。親交のある明徳義塾・馬淵史郎監督(66)からは「老け込んではいけません。年齢に7掛けの気持ちでいきましょう」と連絡があった。「とすると自分はまだ50歳」と高校野球指導の情熱は衰えていない。

 兵庫県の高校球界では今春、前履正社監督の岡田龍生氏が東洋大姫路監督に就任。元横浜高監督・平田徹氏が7月、村野工監督に就任。今秋の長沢監督誕生で、名将同士の争いも注目される。

続きを表示

2022年8月17日のニュース