亀山つとむ氏 梅野から出されたサイン通りに全力で投げる「投手の原点」を全うした才木

[ 2022年7月17日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1-3中日 ( 2022年7月16日    甲子園 )

亀山つとむ氏
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 【亀山つとむ 視点】才木は素晴らしいピッチングだった。しっかりと腕を振っていて、150キロを超える真っすぐはもちろん、なによりマウンドに立っている姿から投げられる喜び、また、甲子園のファンから大歓声をもらえる喜びが感じられた。

 打者との駆け引きうんぬんではなく、いまは梅野から出されたサインにうなずいて、100%の力でそこを目がけて投げる。ある意味、投手の原点。何回まで、何球までと計算せず、初回からいけるところまで全力でぶっ飛ばすだけ。才木自身は、いまは、それでいいと思う。

 阪神ベンチは、才木をローテーションで回す計算が十分に立ったのではないだろうか。まだ5回、もしくは6回あたりで、100球未満かもしれないが、リリーフ陣がいいし、数も多くいるので、それで十分だ。

 試合は1―1の延長11回に勝ち越されて敗れたが、もっともっと粘っこく守ることもできた。アルカンタラが先頭のビシエドに右中間二塁打され、送りバントで1死三塁。ここで三ツ俣、平田を迎える。中日打線で、まだ試合出場している中では期待ができそうな2人。結果は三ツ俣に中犠飛でこれが決勝点となり、さらに平田には本塁打されるのだが、阪神バッテリーが1点勝負と読むのなら三ツ俣も平田も歩かせて満塁策を取っていればどうなっていたか。その後は土田、そして投手への代打…。もしくは三ツ俣一人だけを歩かせて、平田から併殺打狙い…。あくまで可能性の問題で、どれも結果は同じだったかもしれないが、代走の三塁走者・高松を本塁へ還さないことだけにこだわればいろいろな選択肢はあった。ビシエドの二塁打も、三ツ俣の犠飛も、平田の本塁打も打たれたのはすべて真っすぐ。アルカンタラ―長坂のバッテリーに余裕がなかったように見えたから進言したい。

 0―1の2回無死一、三塁で陽川の浅い右飛で三塁走者の糸原がスタートを切ったが、三本間の真ん中付近で急ターン。中継に入った二塁・溝脇から転送されてタッチアウトになった。間に合わないと判断したのだろうが、同じアウトになるにしても本塁で勝負してほしかった。(スポニチ本紙評論家)

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