今春選抜準V・近江 延長10回ヒヤヒヤ発進、エース山田は「4番右翼」で出場も5打数無安打1四球

[ 2022年7月17日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権滋賀大会・2回戦   近江4-3瀬田工 ( 2022年7月16日    オセアンBCスタジアム彦根 )

<瀬田工・近江>延長10回、津田の適時打で生還した星野(右から2人目)を迎える近江ナイン(撮影・井垣 忠夫)
Photo By スポニチ

 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場校を決める地方大会が16日、各地で行われた。滋賀大会では今春選抜準優勝の近江が延長10回の末、辛勝発進。今秋ドラフト候補の山田陽翔(3年)は「4番右翼」で5打数無安打だった。

 選抜準V校の近江は3時間12分の苦闘を1点差で制す、ヒヤヒヤの初戦突破となった。試合後の多賀章仁監督は質問に対してしばらく沈黙。絞り出すように話し始めた様子は、まるで敗軍の将だった。

 「言葉が出ないと言うか…。山田は投げさせる状態ではなかった。河越(大輝)を先発させたことで、負けていたら批判を受けていたと思う」

 3―3のまま延長戦に突入する苦しい展開だったが、調整途上の絶対エース・山田を最後までマウンドに送らなかった。先発には背番号18の1年生左腕・河越を抜てき。4回途中に副島良太をワンポイントで送ると、3番手の星野世那が試合終了までの6回2/3を投げ切った。

 「次は泥くさくても塁に出て貢献したい」

 山田は登板できないもどかしさをバットにぶつけたかったが、気持ちは空回りした。6打席で5打数無安打1四球。5回先頭では左翼への大飛球をフェンス手前で捕球されて頭を抱え、8回2死一、二塁の勝ち越し機では痛烈な当たりの遊直に倒れ天を仰いだ。

 ただ、右翼守備では肩の状態に問題がないことを見せつけた。特筆すべきは8回1死一塁。飛球を捕球後、飛び出した一塁走者を刺して併殺を完成させた。多賀監督は勝ち進めば24日に予定される準々決勝で、山田を投げさせることを明言。指揮官の構想に背番号1も大きくうなずく。

 「すぐにでもマウンドに行きたい気持ちがあったが、自分が投げて抑えても次につながらない」。投球を披露する前に、次の3回戦こそ打撃でチームをもり立てる。(石丸 泰士)

続きを表示

2022年7月17日のニュース