阪神5位転落 2位浮上のチャンスだったのに…悔やまれる初回の陽川と糸原の拙守&拙走

[ 2022年7月17日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1-3中日 ( 2022年7月16日    甲子園 )

<神・中>2回無死一、三塁、陽川の右飛でタッチアップを狙うも、無理だと判断し三塁に戻ろうとした際にタッチアウトになる三走・糸原(右は三塁手・三ツ俣)(撮影・坂田 高浩)
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 阪神が16日の中日戦に敗れ、5位に転落した。1―1の延長11回にラウル・アルカンタラ投手(29)が決勝点を献上したが、悔やまれるのは2回にあった拙守&拙走。2つのミスで流れを手放したことが、最後の最後に響いた。勝てば2位浮上となる一戦だったが、連勝も3でストップ。「ウル虎の夏2022」の勝ち越しもかけて、17日から再スタートを切る。

 土壇場で追いついただけに、悔しさが募った。1―1の延長11回。中継ぎ4投手が無失点でバトンをつないできた中、つかまったのは6番手のアルカンタラだ。1死三塁から三ツ俣に勝ち越し中犠飛を許すと、続く平田に致命的な左越えソロを被弾。4時間を超える試合で猛虎が力尽きた。

 「勝負にいったら打たれることもある。受け止めてやらないと」

 矢野監督は右腕を責めなかった。ただ、戦前は勝利を予感させるような好データがそろっていた試合だった。チームは「ウル虎ユニホーム」で3連勝中。土曜日は8連勝中で、甲子園での中日戦は負けなしの6連勝中だった。そんな「勝ち運」を消してしまったのが、序盤の目を疑うようなミス2連発だ。

 まずは2回の守備。1死一塁で高橋周の左翼線への打球がラバーに当たったクッションボールを、先発左翼に抜てきされた陽川がトンネル。(記録は二塁打と失策)。三塁で止まりかけていた一塁走者のA・マルティネスの先制の生還を許してしまった。

 さらに信じられないミスが出たのは、その裏の攻撃だ。先頭の糸原が左前打し、続く山本の二ゴロを溝脇が失策。無死一、三塁の絶好のチャンスをつくった。続く陽川の犠飛には微妙な飛距離の右飛で果敢に本塁を狙った糸原が、三本間で急ブレーキ。慌てて三塁に戻ったところでタッチアウトとなった。

 「“いくぞ!”というところから、送球の高さとかを見た時に“これはアウトになるんじゃないか”という判断で(糸原)健斗は戻ったと思うんだけど…。難しいプレーだと思うけど、俺らはチャレンジしていく野球だから、アウトだとしても行ってほしかったなというのはある」

 矢野監督はこちらも責めなかったが、ここで追いついていれば試合展開もまるで違っていた。4チームがだんご状態の中、勝てば2位タイだったものの、逆に5位に転落した。

 「ウル虎の夏2022」として行われる甲子園6連戦はこれで3勝2敗。9回に難敵、R・マルティネスを攻略できたのは、間違いなく4万2582人の大観衆の後押しがあった。「今日もたくさん入ってくれてるんで、しっかり応える野球をしたい」。指揮官は前を向いた。(山添 晴治)

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2022年7月17日のニュース