阪神5連勝で3位浮上! 伊藤将が94球1失点完投でチーム甲子園7連勝 最大16あった借金は4に

[ 2022年6月19日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4ー1DeNA ( 2022年6月18日    甲子園 )

<神・D>1失点完投で3勝目を挙げた阪神・伊藤将(撮影・成瀬 徹)
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 阪神は、18日のDeNA戦に4―1と快勝して5連勝となり、今季67試合目にして初めて3位に浮上した。先発した伊藤将司投手(26)が、初回のソロ本塁打のみの1失点完投勝利で今季3勝目。昨年から甲子園6連勝の左腕の快投で、チームは聖地で6月無敗の7連勝となった。最大16あった借金は4。開幕から低迷していた猛虎が完全に目を覚まし、上位に牙をむき始めた。

 不穏な空気が漂ったのはプレーボールから1分間だけだった。初回1死からこの日の2球目を捉えられ大田に先制ソロを被弾。だが、終わってみれば、これが伊藤将の快投への“気づき”になった。

 「(佐野、大田と)初球打ち、仕掛けが早いと感じたので、丁寧に初球でも低めを意識して投げようと」

 言葉通り、2回以降は相手打線の積極性を利用して、凡打を重ねた。「牧とか中軸の時にイン(コースの)カットを意識させることができた」。牧、宮崎ら右の強打者にも強気に内角を攻めた。被安打3、本塁打を除けば長打はなし。わずか94球、アマチュア時代も含めて「初めて」という100球未満の完投勝利となった。4月6日の対戦で完封目前のあと1死で同点に追いつかれたDeNAにリベンジ。チームの5連勝、Aクラス浮上に貢献し、昨年から甲子園では6連勝となった。

 試合で奪う一つのアウト、手にする白星を呼び込む日々の地道な取り組み。背番号27には、毎日欠かさず自身と向き合う大切な時間がある。丁寧に腕を振るのは練習中のキャッチボール。道筋をつけてくれたのは昨年、同一カードで先発を任されたことでコンビを組むようになった、5歳上の秋山だった。

 「キャッチボールはより丁寧にやるようになりました。昨年からずっと秋さんとやらしてもらって、ちょっとボールの回転が悪かったり、気づいたことは言ってくれる」

 今春キャンプでは一時的にコンビを解消したが、実戦で不調だった左腕を見かねて秋山から「将司、キャッチボール下手になってるぞ」と声をかけられ、3月から再結成した。遠投でも強いボール、回転を意識することは先輩右腕から学んだこと。「高卒から長くプレーされていて、秋さんが継続してるってことはそれだけ大事なことだと改めて思い直した」。“たかが”ではなくキャッチボールの“されど”を体現する背中を見てきた。

 開幕前には「2年目のジンクスとかは全然意識してない」と言い切った左腕は、お立ち台で「チームのため、ファンのために精いっぱい投げていきたい」と渋い声で宣言。成長や進化だけでなく、主力としての自覚も芽生えてきた。(遠藤 礼)

 ○…伊藤将(神)が完投で今季3勝目。完投は通算3度目で3安打と94球は、9イニングを投げて勝敗なしだった今季4月6日のDeNA戦(4安打、112球)を含めても自己最少。阪神投手の100球未満完投は昨季10月2日の中日戦、高橋の97球以来。

 ○…甲子園では昨季9月1日から6連勝。6月は2勝目で、1日から続くチームの甲子園連勝を7に更新。15年6月3日から28日にかけての9連勝以来7年ぶりとした。

 ○…阪神は今季初の3位浮上。今季最も3位チームとゲーム差が開いたのは9.5ゲームで4月21日広島と5月13、14日巨人の3日間。6月は1~7日の6連勝と10~18日の5連勝で11勝2敗の貯金9。月間勝率.846は首位独走中のヤクルトに並ぶ。5勝8敗の巨人、中日、DeNA、3勝10敗の広島と負け越す4チームを尻目にAクラス入りを果たした。

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