豊見城南 大谷寿音さんが試合前“ラスト”ノック「いいプレーできるようにという思いを込めて打ちました」

[ 2022年6月19日 18:40 ]

高校野球沖縄大会1回戦   コザ12―2豊見城南(6回コールド) ( 2022年6月19日    沖縄県セルラースタジアム那覇 )

<豊見城南・コザ>試合前にノックを打つ大谷さん
Photo By スポニチ

 試合前のノック。豊見城南は三つ編み姿の女子部員、大谷寿音(ことね)さん(3年)がノックバットを握った。大きな声を出しながら左右にボール振り分けた。「選手たちのためのノックなので、試合でもいいプレーできるようにという思いを込めて打ちました」と振り返った。ノックを終えると、ベースの土を手で払った。「ありがとう」の気持ちを込めた。

 大谷さんは小学5年の頃に1歳下の弟の影響で野球を始めた。中学では軟式野球部と女子野球チームの沖縄ガールズプレーした。高校入学を前に一度は野球を辞めようと思ったという。ただ、高校の練習を両親と見に行った際に「楽しそうにやっていた。自分もやっぱり野球がやりたい」と入部を決めた。1年夏の独自大会でノックをした際は「全然うまくいかなくて。思うような方向に打つことができなかった」と振り返る。回数を重ねるごとに上達。「今は自分がイメージした方向に打てるようになった」と笑みを浮かべる。大城浩二監督がノックを打つ際は男子選手にまじり、セカンドで打球を受ける。練習試合に試合に出ることもあったという3年間だった。

 ゲーム中はスコアラーとしてベンチ入りし、試合を見守った。春の県大会で16強のコザ相手に5回まで2―3と善戦。6回に9点を奪われコールド負けを喫した。大谷さんは「たくさん苦しいことの方が多かったんですけど、やっぱり今はやりきったなという思いです」とすがすがしい表情で語った。

続きを表示

2022年6月19日のニュース