ヤンキース・ジャッジの進化の理由 高性能のマシーンによる反復練習で両サイドの曲がり球を強打

[ 2022年6月19日 09:30 ]

ヤンキースのジャッジ(AP)
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 MLB公式サイトが今季絶好調のヤンキースのアーロン・ジャッジ(30)を特集。打撃のレベルを上げられているのは、ストライクゾーンの端、両サイドのボール1個分を誰よりもうまく叩けているからだと分析した。

 そのコースのOPS(出塁率+長打率)が1・131で1位、2位はアストロズのアルバレスで1・110だという。難しいコースをしっかり打てているのは、打撃ケージで高性能のマシーンを打っているからだ。設定を小刻みに上げ、より速く、より回転率が高く、より曲がる球を打っておく。実際の試合でトップ投手が投げる以上の難度の高い球で目を慣らす。「オーバートレーニングが好き。あえて難しいボールを打っておく。本塁ベースの端から端まで曲がるのを見慣れていると、実際の試合ではその半分かと思える。スイングの軌道もイメージできているし、身体もそれに合わせて動かせる。あとは打席でバットを振るだけ」と言う。内角ぎりぎりのシンカーは引っ張り、外側のスライダーはセンター返しか右側に打つ。結果、端っこの球は、20年のOPSが・650、21年は・760だったのに、今季は飛躍的に上昇。26本ヒットにし、内10本が長打、本塁打は7本だ。

 近年、テクノロジーの進化とデータ分析で、ピッチデザインが進み、投手の投げる球は飛躍的にレベルが上がった。中には97マイル(約156キロ)から99マイル(約159キロ)の高速シンカーを40センチから45センチも横に動かす投手がいる。かと思うとスライダーがその反対方向に40センチから50センチも曲がっていく。いきなりそれを見せられたのでは打てないが、ケージで何十回も見ておけば対応しやすい。相手投手の球種をシミュレートしてくれる打者のためのテクノロジー。ジャッジは「球種をそっくりに模写してくれるから、打者の助けになる」と説明している。

 そのジャッジだが、18日(日本時間19日)トロントでのブルージェイズ戦に「2番・DH」で先発出場。高速シンカーが得意なマノアに、バットを真っ二つに折られ、詰まった内野ゴロを打たされるなど、この日は快音は響かなかった。

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