日本ハム・新庄監督作品「万波、バットを離すな!」弾 両手がっちりパ2位並んだ9号

[ 2022年6月2日 06:00 ]

交流戦   日本ハム5―1広島 ( 2022年6月1日    マツダ )

<広・日>2回無死、万波は中越えにソロ本塁打を放つ (撮影・奥 調)
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 ビッグボス打法で、広島の空にアーチを描いた。日本ハムの万波中正外野手(22)が1日、広島戦の2回にバックスクリーンへ先制の9号ソロ。新庄監督から伝授された両手をバットから離さない打法を体現し、低めの変化球に対応した。リーグ2位タイの9号を含む、今季4度目の猛打賞となる3安打2打点と躍動。チームの6月白星スタートに貢献し、上位浮上と覚醒への予感を漂わせた。 

 体勢を崩されながらも、両手は離さなかった。2回先頭、万波が先制の9号ソロ。広島の先発・遠藤の133キロ低めのチェンジアップをすくい上げ、自慢のパワーでバックスクリーンまで運んでみせた。「行っちゃったばい!」と福岡出身の新庄監督ばりの博多弁でコメント。指揮官の助言から生まれた。

 これまでインパクトの後、すぐに右手を離してしまう癖があり、低めの変化球を空振りするケースが多かった。そこで新庄監督から「両手を離さないように打ってみて」と助言を受けた。バットを振り切るまで両手でスイングすることで万波も「最後までなんとか当てようと粘れる」と手応え。5回2死一、三塁でも、低めのチェンジアップを左前にしぶとく落とす適時打。この日の3安打中、2安打は2ストライク後の変化球に対応した安打で、指揮官は今後の継続を願って「アロンアルファでも塗っておこうかな!」とジョークめかした。

 パワーはチーム1位だ。練習中に行われる体力測定。メディシンボール投げでチームメートが10メートル台の中、万波は唯一の20メートル台を計測。新庄監督も「アメリカで3年間いろいろな選手のフリー打撃を見てきたけど、万波は一流のメジャーリーガーと同じ打球を打ちます」と絶賛する。

 さらに、この日の3安打はいずれもノーステップ打法。金子誠野手総合打撃コーチが、2ストライク後のアプローチに工夫をもたせるための指示だった。ノーステップ打法は飛距離が生まれにくいが、それでも飛距離を出すエンゼルス大谷のように万波もパワーは十分。「初めて本塁打になったので、続けたいですね」と笑った。

 三塁打が出ればサイクル安打達成だった7回は右飛、9回は空振り三振に倒れた。「片隅にはありましたけど、スリーベースだったので現実的ではないな。最後は2打席チャンスだったので、ランナーを還したい思いが強かった。そこで打てなかったのは反省かな」。リーグ2位タイの9発目。覚醒の予感が漂ってきた。(清藤 駿太)

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