阪神・大山 西純先発試合で4戦連発だ!!通算90号で自力V復活&セ界独り勝ち演出

[ 2022年6月2日 05:30 ]

交流戦   阪神5ー4西武 ( 2022年6月1日    甲子園 )

<神・西>3回、3ランを放ち、西純(右)の出迎えに笑顔の大山(撮影・成瀬 徹)
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 一振りで“アニキ”の威厳を示した。阪神は1日の西武戦に5―4で勝利。5番・大山悠輔内野手(27)が2点リードの3回1死一、三塁で9号3ランを放ち、勝利をたぐり寄せた。西純の先発試合では4戦連発。値千金の自身通算90号で若き20歳右腕の勝利を後押しした。この日、セ界独り勝ちの猛虎は一夜にして自力優勝の可能性を復活させた。

 目が覚めるような完璧な一撃に、甲子園の観衆もどよめいた。球場が歓喜に包まれる中、大山は淡々とダイヤモンドを一周。ベンチで先発・西純の出迎えを受けると、お尻をポンとたたいて優しく応じた。

 「打った瞬間、入ると思った。感触も完璧だった。1打席目はチャンスの場面で三振したので、純矢のためにも、チームのためにも、一点でも多くというところで思い切っていきました」

 まさに“アニキ肌”の一撃と言えた。2―0の3回1死一、三塁だ。与座が投じた真ん中付近への129キロ直球を見逃さない。フルスイングで、左翼席に放り込んだ。その一打に、初回2死二塁の好機で空振り三振に倒れていた悔しさもこめた。5月25日の楽天戦以来6試合、26打席ぶりの9号3ラン。最終的に1点差だったことを考えると、結果的に値千金の一撃となった。

 「必死にやっている結果。たまたま純矢の時に重なっているだけだと思う」

 これで西純の先発試合では4戦連発。本塁打直後のベンチで右腕から「4試合連続ですね」と感謝されると、「毎日投げてくれ」と冗談!?で包み込んだ。「アニキ」の余裕を漂わせることで、弱冠20歳の若き右腕に安心感も与えた。

 打撃の状態を上げるべく、前日5月31日の試合前練習では藤井康1、2軍巡回打撃コーチに助言を仰いだ。打ちに行く際に体が前のめりになりやすい癖があるため、念入りに動作を確認。「4スタンス理論」を用いてタイミングの修正を図る中で「軸が崩れないように。軸ができて初めて自分の型で打てるんだよ」と改めて軸の重要性を説かれ、基本に立ち返った。その成果を示した。

 「まだまだ先はありますし、目の前の一試合を全力でやっていれば、チャンスはあると思うので、しっかり頑張りたい。(足の状態も)絶好調です」

 4月下旬に痛めた左足の状態も良好。この一発で、球団生え抜き野手では10年鳥谷敬以来となる5年連続2桁本塁打にも王手をかけた。矢野監督も「やっぱり悠輔が打ってくれるというのが絶対条件になると思う。何かしらの手応えがあるような一本になってるんじゃないかな」と反攻のキーマンに指名。今季は「夏の大山」に期待大だ。(長谷川 凡記)

 《5年ぶり4度目》1日の交流戦はパが5勝し、セでは阪神が唯一の勝利。交流戦で阪神の独り勝ちは、17年6月10日以来5年ぶり4度目。首位のヤクルトが敗れたことで、自力での優勝の可能性も復活した。

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