エンゼルス・大谷 飛距離125・9メートル大飛球捕られた チームは今季ワースト6連敗

[ 2022年6月2日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1―9ヤンキース ( 2022年5月31日    ニューヨーク )

<ヤンキース・エンゼルス>初回、大谷は中堅に大飛球を放つ(撮影・篠原岳夫)
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 「本塁打王」に本塁打を阻まれた。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が31日(日本時間1日)、ヤンキース戦に「2番・DH」で出場。初回に中堅フェンス際へ放った大飛球を、現在リーグトップ18本塁打のアーロン・ジャッジ外野手(30)に好捕された。昨季3本塁打と大暴れしたヤンキースタジアムで注目の3連戦の初戦は、4打数1安打でノーアーチ。チームは大敗で今季ワーストの6連敗を喫した。

 敵地3万1242人の大観衆が息をのむ。初回1死。左腕モンゴメリーの速球を捉えた大谷の打球は、中堅後方へ伸びた。しかし、2メートル1、127キロの巨漢ジャッジが、高さ2・6メートルのフェンス際でジャンプ一番、好捕。地鳴りのような大歓声が湧き起こった。

 「月まで届くんじゃないかという打球だったけど、うまく打球の下に入れた。幸運にもグラブの中に入ってくれた」とジャッジ。ヤンキースのアーロン・ブーン監督は「打った瞬間は本塁打だと思って目をそらしてしまった」と笑った。

 無理もない。飛距離125・9メートルの大谷の打球についてデータ計測システム「スタットキャスト」は、メジャーの本拠地30球場中、20球場で本塁打になると分析した。さらに、大リーグ公式サイトでデータ分析を担当するデービッド・アドラー記者は「92%の確率で本塁打になる打球」とSNSに投稿。打球速度107・6マイル(約173・2キロ)、打球角度35度と、本塁打になりやすい速度と角度の組み合わせ「バレルゾーン」内の打球だったことなどを加味した。

 一方、ヤ軍の左打者カーペンターが初回に放った右越え2ランは打球速度93マイル(約149・6キロ)、角度30度で、アドラー記者によれば「87%の確率でアウトになる打球」だ。ヤンキースタジアムはポールまで約96メートルと右翼が狭く、フェンスも最も低い場所で2・4メートルと中堅より下がっている。独特の形状も明暗を分けた。

 大谷とジャッジの写真と「ホームラン・バトル」の文字をあしらったTシャツが球場の売店で販売された注目対決。ライバルの好守で12号アーチは幻となりチームは今季ワーストの6連敗を喫した。

 5月は13勝15敗と負け越し。ジョー・マドン監督は「私は選手たちを信じている」と言った。大谷は次戦も打者で出場し、2日(日本時間3日午前8時5分開始)の第3戦で投打同時出場の予定。「ルースが建てた家」で再浮上のきっかけをつかめるか。(笹田幸嗣通信員)

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