田淵幸一氏 ロッテ・朗希の球宴9連続Kに期待も「打者のレベルは…」71年江夏とバッテリー

[ 2022年6月2日 05:30 ]

71年のオールスターで9者連続奪三振を記録した江夏
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 もう51年も前だがよく覚えている。あのシーズンは江夏も私もあまり調子が良くなかった。球宴ではサインは基本、真っすぐ。パの打者は1、2の3でブンブン振ってきた。それでも打たれない。気持ちが良かったね。もちろん球速も速いが、江夏は高めのボールゾーンに制球良く投げて、そこを振らせていた。見事だったよ。

 3回2死、9人目の打者の加藤秀司がファウルフライを打った時に江夏が「追うな!」と叫んだのも聞こえたよ。大記録が懸かっていたし、もちろん私もファウルを捕るつもりはなかった。

 今年の球宴。もちろん最大の目玉は佐々木朗だろう。松川とのバッテリーには大いに期待をしたい。ただ、半世紀以上前の9連続奪三振の頃に比べて、打者の技術レベルは格段に上がっている。追い込まれればフォークがあるから、セの打者はその前に狙い球を絞って振ってくるだろう。打者の意地もある。佐々木朗が実際に3イニングを投げるのか、というのもあるし、あの記録に並ぶのは容易なことではない。ただ、ファンの期待は大きいはず。その期待にどんな投球で応えるか、楽しみにしている。(スポニチ本紙評論家)

 ▽江夏の9連続奪三振 71年7月17日の第1戦(西宮)に先発。ファン投票1位での選出に「期待に応えるには全員三振しかない」とマウンドに上がり、ほぼ直球勝負で気迫の投球を見せた。9人目の加藤秀が捕邪飛を打った際、捕手・田淵に対して「追うな」と叫び、最後は真ん中直球で空振り三振。3イニングで計41球を投げ、史上初の快挙を成し遂げた。

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2022年6月2日のニュース