エンゼルス・大谷に森繁和氏が休養のススメ 二刀流の疲労蓄積見えた立ち上がり

[ 2022年4月29日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス9―5ガーディアンズ ( 2022年4月27日    アナハイム )

<エンゼルス・ガーディアンズ>初回、ラミレスに先制2ランを浴びる大谷(撮影・光山 貴大)
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 今季2勝目を挙げたエンゼルス・大谷翔平投手(27)だが、立ち上がりの不安定さを見た森繁和氏(67=スポニチ本紙評論家)は蓄積した疲労の影響を指摘した。ここまで投打二刀流で全19試合にフル出場。しかし長いシーズンを見据え、エ軍打線の状態がいい今こそ積極的に休養を取るべきだとした。

 正直、初回はどうなることかと思った。最悪に近い部類だったろう。直球も走らず、ボールに力が乗っていない。前回登板で大きく横滑りして絶大な効果を発揮したスライダーも、変化の量がまるで違っていた。左打者には外角から大きく曲げてストライクゾーンに入れていたが、初回のラミレスの2ランはそのスライダーが外角に甘く入ったものだ。

 初めての空振りが2回1死一、二塁で1番ストローから三振を奪った場面。実に42球目だった。ここからも序盤、いかに苦労したかが分かる。キーポイントになったのは3回。前の打席で一発を打たれたラミレスを先頭打者で迎え、カーブ、スプリットも交えて9球かけて二ゴロに打ち取った。なんとか粘って初めて先頭打者を抑え、50球を過ぎたこのあたりからリズムが良くなった。打線が早い回に大量援護してくれたのも大谷には心強かっただろう。

 立ち上がりの悪さを改善するには、試合前のブルペン投球を10球ほど多くするなどの方法がある。ただ、序盤の投球を見ていて現在の大谷に必要なのは休養だと思った。投打でのフル出場の疲労は間違いなくある。なにより「投げっぷり」に力強さを感じなかった。前日には首脳陣が休養を取らせることを示唆し、可能性がありながら、本人が志願して出場していた。ならば監督が止めるべき。プレーオフ出場を目指す長いシーズンを見据えたら、休むべきタイミングは今だと思う。

 大谷に代わって1番に入り、この日満塁本塁打を放ったウォードやトラウトら、打線は非常に状態がいい。大谷をスタメンから外す選択肢をとりやすい状況だ。本来の大谷には、3回以降の投球が初回からできるよう求められる。それほど高いパフォーマンスを常に期待されている。二刀流。休養は投球だけでなく、打撃面でも好影響があると思う。

 《ほど遠いベスト》6回1安打無失点、12三振と好投し、ジョー・マドン監督が「今まで見た中でベスト」と絶賛した前回20日のアストロズ戦の投球内容と比較すると、ほぼ全ての項目で数字を落としていた。直球の平均球速は1.3キロ落ちて154.9キロ。前回20奪った空振りの数も、7と半減以下。驚異的だったスライダーの平均変化量も3割以上少ない25.40センチにとどまった。唯一ストライク率だけは68.6%で改善した。

 ▼エンゼルスのジョー・マドン監督 翔平は立ち上がりはベストな状態ではなかったが、徐々に良くなっていった。

 ▼エンゼルスのスタッシ(登板全4試合でバッテリー)翔平は打者を打ち取るためのさまざまな手段を持っている。今日はそれが直球。驚異的な仕事をした。

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