現役最高打者への道 ソフトバンク・柳田 メジャー帰りのヒットマンとのデッドヒート

[ 2022年4月29日 18:41 ]

現役最高を争うソフトバンク・柳田(右)とヤクルト・青木(右)
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 「現役最高」の称号をかけたデッドヒートから目が離せない。ソフトバンク・柳田悠岐外野手(33)が4月29日までに通算3990打数を記録。NPBが生涯打率の基準とする「通算4000打数以上」まで、あと10打数に迫っている。

 生涯打率のトップはレロン・リー(ロッテ)の・320。若松勉(ヤクルト)の・31918、張本勲(東映など)の・31915と続いていく。仮に毎年、500打数を記録したとしても、到達まで8年。大きな故障をすることなく、高水準の率を残し続けていくことが到達への必須条件である。2000安打を達成した選手が54人に対し、生涯打率の3割超えは現時点で25人。いかに難易度の高い“偉業”かが分かる。

 張本に続く4位には現役最高打率の青木宣親(ヤクルト)が・318で入り、5位は右打者として最高の打率を残したブーマー(阪急など)の・317。この両者の間に入り込む、あるいは青木を超えて、現役最高打率となる可能性を含んでいるのが柳田だ。

 3990打数の現在、通算打率は・318。仮に4000打数に到達するまでの10打数で4安打を放てば、打率は・31825となる。青木が同じ10打数で3安打なら31816。青木を上回れば、柳田が現役最高打率打者となる。もちろん打率は打点や本塁打と異なり、数字の上がり下がりがある。当たり前のことだが、4000打数到達で完了することはなく、両者が引退するまで数字は付いて回る。あくまでも一時的なことではあるが、2人は紙一重の差で「現役最高」を争っている構図となる。

 柳田は今月7日に「左肩腱板炎」のため、出場選手登録を抹消されたが、26日の西武戦(ペイペイドーム)で復帰。28日の西武戦(同)で復帰後初本塁打を放つなど、復調気配を示してきた。青木も4月23日阪神戦(神宮)で今季初本塁打を記録し、先発・石川の新人年からの21年連続勝利に貢献するなど、40歳にして心身ともに衰えを見せていない。

 現役最高を争うだけでなく、首位・リーの生涯打率・320を超える可能性もある2人。初日こそ雨にたたられたが、気温も上がり絶好の「野球日和」となることが予想されるゴールデンウイーク。直接対決のないヒットマンの、数字上の「対決」を追っていくのも面白い。

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