広島 悪夢の8回、継投失敗9失点に佐々岡監督「失敗すれば僕の責任」

[ 2022年4月29日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5ー9ヤクルト ( 2022年4月28日    マツダ )

<広・ヤ>8回1死満塁、村に同点となる2点適時打を打たれた中崎(撮影・奥 調)
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 広島は28日のヤクルト戦で、救援陣の大乱調による逆転負けを喫した。2点優勢の8回に登板した中崎翔太投手(29)が3者連続四球から同点打を浴び、後を受けた島内颯太郎投手(25)は決勝の押し出し四球を与えた。勝ちパターンを担う2人が計5四球を与えるなど1イニング9失点。本拠地開催だった今回の2連戦で、球団通算4500勝には届かなかった。

 これでは「勝利の方程式」とは呼べない。中崎は四球を連発し、島内は重圧を跳ね返す強さを持ち合わせていなかった。1イニング5与四球で一挙9失点。佐々岡監督は「うちの勝ち(パターン)の2人。失敗すれば僕の責任」と救援陣をかばった。

 勝ち継投につないだ途端に、悪夢が始まった。2―0の8回に登板した中崎が、1死無走者から3者連続四球と突如として制球を乱し、1死満塁から村上に中前への同点2点打を浴びた。「こういう投球をしてしまい、申し訳ない。一番最悪の投球をしてしまった」と負の流れのまま島内にマウンドを譲った。

 島内は、緊張感のある場面で制球が乱れる悪癖が露呈した。塩見に四球を与えて満塁となり、長岡に1球もストライクが入らず与えた押し出し四球が、決勝点となった。「1人目からゾーンで勝負しにいったが、うまくいかなかった」。オスナにも2点打を許して降板。1死一、三塁から登板したこの回3人目の黒原も後続を止められず失点を重ねた。1イニング9失点以上は、19年8月29日の巨人戦以来3年ぶりとなった。

 試合前までのチーム防御率3・00はリーグトップを誇っていた。その要因としては好調な先発陣だけでなく、昨季は流動的だった守護神・栗林につなぐ勝ちパターンを中崎、島内、塹江の3人で固定できたことが大きかった。しかし中崎は今季3敗目。塹江は前回登板で被弾しており、中崎の3者連続四球で村上を迎えた満塁機で起用するのは躊躇(ちゅうちょ)する展開ではあった。開幕から1カ月、救援陣にとって最初の踏ん張りどころを迎えていると言える。

 チームはヤクルトに同一カード2連敗となり、佐々岡監督は「切り替えて頑張ります」と言い残して取材を切り上げた。首位・巨人と3・5差に広がり、3位・ヤクルトには1差に迫られた。勝ちパターンに代わりはいない。このショックは自ら振り払うしかない。(河合 洋介)

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2022年4月29日のニュース