エンゼルス・大谷 リアル二刀流で2勝&3安打 初回2ラン被弾も直球軸に修正

[ 2022年4月29日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス9―5ガーディアンズ ( 2022年4月27日    アナハイム )

<エンゼルス・ガーディアンズ>6回、適時二塁打を放つ大谷(撮影・光山 貴大)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)は27日(日本時間28日)、ガーディアンズ戦に先発登板し、5回5安打2失点で今季2勝目を挙げた。初回に2失点したが、直球を軸に尻上がりに調子を上げ、修正能力の高さを発揮した。打者では今季初&先発登板日ではメジャー初の1試合3安打を放ち、今季本拠地初打点も記録。チームは今季初の4連勝を飾り単独首位に立った。 

 気温18度ながら、温暖なアナハイムでは珍しくひんやりとした風が吹いた。初回。大谷は直球が走らず、変化球も制御できない。「初回は寒かったので、温まっていなかった。体が動いていなかった」。1死一塁からラミレスに右中越えの先制2ランを浴びた。

 ただ、このまま崩れないのが「投手・大谷」の神髄だ。12奪三振した20日のアストロズ戦で効果的だったスライダーや宝刀スプリットではなく、直球を軸球に選択した。「途中から(相手打線が)“変化球ケア”だったので、直球で攻めていけばと思った」。力強く右腕を振ることで、結果的に体が温まる効果もあった。3回はラミレスにこの日最速98・8マイル(約159キロ)を計測。直球の平均球速は回を重ねるごとに上昇していった。4、5回は2イニング連続で3者凡退に抑える本来の投球だった。

 全86球中、直球はほぼ半分の42球。前回の23・5%から倍以上増やしかく乱した。5回5安打2失点で今季2勝目。投球時の癖を隠すため、前回に続いてセットポジションで構えるグラブの位置を胸元からベルト付近に下げた。初回の失点は昨年8月25日のオリオールズ戦以来8試合ぶりだったが、悪い状態からも道を探り当てる修正力は健在だった。

 1、2打席で凡退した打席でも修正した。4回に中前打、6回に今季本拠地初打点の適時二塁打を放つと、8回はバットを折りながらも中前に運んだ。今季初の1試合3安打。ここまで調子が上がらず、24日のオリオールズ戦は「良い気分転換になる」とズボンの裾を膝下まで上げたオールドスタイルで出場。26日のガーディアンズ戦前は「練習を調整して、効率よくやっていくしかない」と今季初めて屋外でフリー打撃を敢行。「劇的な変化はあまり求めないようにしたい」と冷静だが、早速結果に表れた。

 チームは今季初の4連勝で、貯金を今季最多の5に増やし地区首位に再浮上。大谷は言った。「自分の調子が上がらない時にこうやって勝っている状況は凄い救われる。こういう状況が常に続くわけではないので、もしそうなった時に自分が助けられるように準備をしたい」。右肘のアイシングをさすりながら、背番号17の視線はもう明日に向いていた。(柳原 直之)

 ≪初回失点は7試合負けなし&登板時初の3安打≫大谷はメジャー3年目までは初回失点した試合で2連敗中だったが、昨季からは7試合で負けなし4連勝となった。初回に失点しても修正力を発揮し、試合の中で悪いなりに投げ抜くすべを磨いてきた。この日も粘り5回まで投げ抜いた。また登板時の3安打はメジャー初で、日本ハム時代の16年5月29日の楽天戦に「6番・投手」で出場し3安打。7回1失点で勝利投手となった。エ軍投手が3安打して勝利投手となるのは、01年のジャロッド・ウォッシュバーン以来21年ぶり。

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2022年4月29日のニュース