中日・石川昂 プロ1号がV弾!「振ることだけ考えて」

[ 2022年4月6日 05:30 ]

セ・リーグ   中日7ー6ヤクルト ( 2022年4月5日    神宮 )

<ヤ・中>8回、勝ち越しソロを放った石川昂(奥)はビシエドと抱き合って喜び合う(撮影・尾崎 有希)
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 みんなが待っていた一発だ。高卒3年目の中日・石川昂が8回にプロ76打席目で初本塁打となる決勝ソロ。今季初の4連勝と5割復帰をもたらした若き大砲はお立ち台で最高の笑顔を見せた。

 「村上さんの本塁打を見て、やり返そうと思っていた。使い続けてくれた立浪監督、いろんな方々に声をかけてもらって打てた。感謝しかない」

 7回に三塁・石川昂の上空を通過したヤクルト・村上の一発を見て闘志に火が付いた。8回先頭の打席で1ボールから清水が投じた145キロの直球をとらえ、竜党が待つ左中間スタンドへ運んだ。

 「振ることだけ考えてやった。その割り切りというかシンプルな考えが良かった」

 決意を持って臨んだ3年目。オープン戦の2戦目(2月27日・楽天戦)で本塁打を放つなど順調に見えたが、すぐに壁にぶつかった。直球に差し込まれて迷いが生じ、ファーストストライクに手が出ない。開幕後には結果を求めてスイングが小さくなり、この試合まで安打は中堅から右方向だった。キャンプ時に100キロ以上あった体重も97キロまで減り「143試合大丈夫かなと思うぐらい気持ちの波はあった」と言う。

 2日の広島戦からはバットを寝かせて構えるフォームに改造。主砲のビシエドにもアドバイスを求めた。そんな時に中村打撃コーチ から「怖さがないぞ。とにかく振れ」と助言され吹っ切れた。

 くしくも4月5日は58年に巨人・長嶋茂雄終身名誉監督がデビューした日だ。「勝ち続けられるよう、貢献できるように頑張ります」。竜の至宝となりうる大型三塁手がスターへの一歩を踏み出した。(中澤 智晴)

 ◇石川 昂弥(いしかわ・たかや)2001年(平13)6月22日生まれ、愛知県出身の20歳。有脇小6年時に中日Jr.。亀崎中3年時には「NOMOジャパン」入り。東邦では1年春からベンチ入りし、エース兼主砲で出場した3年春の選抜で優勝。同年夏のU18W杯では全試合で4番を務めた。高校通算55本塁打。19年ドラフト1位で中日入団。1メートル86、97キロ。右投げ右打ち。

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