ブルージェイズ・加藤豪将がメジャー昇格 13年ドラ2でヤンキース入団から苦節10年目ついに

[ 2022年4月6日 02:30 ]

オープン戦   ブルージェイズ2―4タイガース ( 2022年4月4日    レークランド )

<タイガース・ブルージェイズ>8回、犠飛を放つ加藤
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 ブルージェイズとマイナー契約を結び、招待選手としてキャンプに参加していた加藤豪将(ごうすけ)内野手(27)が4日(日本時間5日)、自身初のメジャー昇格を確実にした。地元カナダのメディアなどが開幕ベンチ入りすると報道。13年6月のドラフトでヤンキースに2巡目で指名されてから苦節10年目、エンゼルス・大谷と同じ94年生まれのユーティリティープレーヤーが、夢舞台への切符をつかんだ。

 タイガースとのオープン戦の試合後だった。加藤はクラブハウスにやってきたチャーリー・モントーヨ監督から声を掛けられた。

 「おめでとう!」。本人の返事は「何のことですか?」。開幕ロースター入り。実感が湧かない。からかわれているのかも、とも思った。すぐに仲間の選手からも祝福された加藤は、地元カナダメディアの取材に「ここまで多くの苦労があった。僕にとって今日は感慨深い一日。このために長い時間を費やしてきたし、僕にとってとても大切なこと」と喜びを語った。

 石の上にも3年。加藤は世界最高峰の米球界で10年目を迎えるまで踏ん張った。13年6月にドラフト2巡目という高い評価でヤンキースに入団。しかし、思うような結果が出ず「眠れない夜も多かった」と振り返る。一時は野球をやめよう、とも思った。しかし、諦めなかったことで初のメジャー昇格を手にし「(1Aで苦しんだ)14、15年のころの自分に感謝したい。やめずに続けたことで今、ここにいる」と感慨深げに話した。

 オープン戦では13試合で打率・348の好成績。この日は途中出場で8回、左犠飛で打点を稼いだ。「去年後半のスイングの感覚が戻ってきた。昨日、おとといぐらいからいいので、これをキープしたい」。開幕は8日(日本時間9日)の地元・トロントでのレンジャーズ戦。「感謝したい人がたくさんいる。みんな喜んでくれていると思う」。次はメジャーの舞台で夢の続きを追う。

 《野手では初》日本のプロ野球を経ずにメジャーデビューを果たした日本選手は、過去に3人いる。96年マリナーズの鈴木誠、04年インディアンスの多田野数人、09年レッドソックスの田沢純一で、いずれも投手。加藤がデビューすると野手では初めてとなる。

 ◇加藤 豪将(かとう・ごうすけ)1994年(平6)10月8日生まれ、米カリフォルニア州出身の27歳。いったん日本に帰国後、00年に再渡米。名門ランチョ・バーナード高では1年生からレギュラーになり、4年時にはローリングス社が選ぶ全米セカンドチームに選出された。13年6月のドラフトでヤンキースに2巡目(全体66位)で指名されて入団。マーリンズ、パドレスを経て昨年12月にブルージェイズとマイナー契約。1メートル85、89キロ。右投げ左打ち。

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