阪神・矢野監督 甲子園開幕星にホッ「もがき、苦しみながら前に進む姿から何とか元気を届けたい」

[ 2022年4月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4ー0DeNA ( 2022年4月5日    甲子園 )

<神・D>開幕からの連敗を9で止め、帽子を取って声援に応える阪神・矢野監督(左は坂本)
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 どれだけの重圧を感じていたのだろうか。10戦目でついにつかんだ白星。阪神・矢野監督の目はこの日も少し充血していた。努めて冷静に話す言葉の節々から、安どの思いが伝わってきた。

 「本当にうまくいかないことばかりですけど。テレビをご覧の皆さんも、うまくいっている人生を歩んでいる方ばかりではないと思う。僕たちも、もがきながら、苦しみながら前に進む姿から、何とか元気を届けられるような、そういう気持ちでみんな戦ってくれたと思います」

 もちろん、まだ1勝9敗だ。今後も厳しい戦いが続く。それでも本拠地・甲子園の開幕に合わせたかのような4―0の快勝は、ただの1勝とは違うと信じたい。大逆襲に向け、グッと前を向いた。

 「もちろん責任も感じている。その中でみんな何とかしようという気持ちでやってくれていた。どこからでもスタートできるというのも、この3年間、言ってきたし、自分自身にもそう言い聞かして。だいぶん遅いスタートになったけどね。この1勝が、そのスタートになるようにやっていきたい」

 開幕投手に指名した青柳がコロナ禍で開幕直前に離脱。いきなりの大誤算だったが、すぐに本人に連絡し「今は自分と家族を守ることを大事に。ヤギはこれをバネにできる人間だから」と励ました。開幕後は練習中に必ず中継ぎ陣のところへ足を運び、前日の試合でうまくいかなかった投手らに直接声をかけている。ついにトンネルを抜けた10戦目。矢野タイガース最終年の真価はこれから試される。(山添 晴治)

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2022年4月6日のニュース