福岡六大学9日開幕 春8連覇へ九産大の投打の軸に注目

[ 2022年4月6日 09:36 ]

キャッチボールをする渡辺
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 福岡六大学野球の春季リーグは9日に開幕する。九産大は6季連続、春8連覇に挑む。プロ注目の最速151キロ右腕の渡辺翔太投手(4年)と、昨年秋のリーグ戦でMVPを獲得し、大学日本代表候補選手の強化合宿参加した中村貴浩外野手(4年)に注目した。

 1年春からリーグ戦で負け知らずの男が春8連覇の鍵を握っている。九産大のエース渡辺翔太だ。「去年を上回る成績を残して4年間無敗で、全国でまずは1勝したい」と腕まくりした。

 力強い直球と多彩な変化球のコンビネーションで牛耳る右腕だ。1年春から3勝を挙げる活躍を見せていたが、昨年に本格化。「体重が10キロぐらい増えた」ことで直球は自己最速を3キロ更新する151キロをマーク。変化球はダルビュシュ有(パドレス)が開発したスプリットとツーシームの間の「スプリーム」も武器に春は5勝、秋は4勝を挙げた。「自分の中で思っていた以上によくできた1年」と胸を張る。

 冬場のテーマは緩急だった。渡辺の先輩で昨年度まで在籍した岸川滉生(現独立リーグ香川)が、西日本工大から昨秋ドラフトで西武に1位指名された隅田と仲が良く、「緩急があると楽だぞ」とよく聞いていた。そこからヒントを得てカーブを練習している。昨秋から体重は3キロアップし90キロ。体の切れを出すためにダッシュなどを繰り返した。

 九産大は昨秋のドラフト候補に挙がった山本大揮(九州国際大付)、昨夏の甲子園に出場した大嶋柊(西日本短大付)、日高大空(宮崎商)ら楽しみな1年生が加わった。渡辺は「凄いとは聞いているんですけど、負けないようにしっかり1年間頑張って引っ張っていけたら」と意気込む。

 昨年は春、秋の全国大会ではともに先発し好投したが負け投手になった。「全国で負けている。そこが悔しい」。この屈辱は全国に出て晴らすしかない。

  九産大で打の注目は大久保哲也監督がパンチ力を評価する左打者の中村貴浩(4年)だ。昨秋のリーグ戦では3番を打ち4本塁打、16打点で打撃部門2冠を達成し、最優秀選手賞(MVP)を受賞した。「監督にタイミングの取り方を教えてもらって、ちょっとつかんだ感じがあります」と好調の要因を分析。今春のリーグ戦に向け「春8連覇は絶対なんで、達成したいですね」と力強く話した。
 昨年12月には愛媛県で行われた大学日本代表候補選手の強化合宿に参加。関東や関西のリーグの選手と交流し、野球談議をする中で速球への対応の違いに気付いた。「自分は直球はバーンと振り回す感じだったんですけど、振り回したら当たらないと言っていた。軽く打っても当たるんだと」。ヒントを得たことで、大振りしないコンパクトなスイングを練習から意識して取り組んでいる。

 入学後、九産大は春秋通じて全国で勝てていない。「出るだけじゃ意味がない。勝ちたいですね」と中村。昨秋のリーグ戦では優勝したが、最大のライバルの九共大には1敗を許した。「全勝しないと、全国では勝てないと思う」と全勝優勝を狙う。

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