【イースタン期待の若手】楽天2年目・武藤 打撃磨き「頼られる1番打者になる」

[ 2021年9月7日 05:30 ]

4月6日の西武戦でプロ初安打を放った楽天・武藤
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 楽天の未来のリードオフマン候補として期待されているのが、高卒2年目の武藤敦貴外野手(20)だ。守備力と走力は既に1軍クラスという評価を得ている。一方で、最大の課題は打撃。レギュラー争いに名乗りを上げるべく、2軍の実戦の中で打力向上に取り組んでいる。

 仙台市内にある2軍施設も、すっかり秋めいてきた。武藤にとってプロ2年目のシーズンも終盤に差し掛かり、イースタン・リーグでは6日時点で44試合に出場して打率・248、0本塁打、11打点、チーム2位の12盗塁という成績を残している。

 季節は春にさかのぼる。3月25日。開幕1軍メンバーに武藤の名前があった。自身初の抜てきで、翌26日の日本ハムとの開幕戦では9回から左翼の守備に就き、1軍デビューを果たした。4月3日のオリックス戦でプロ初盗塁を決め、同6日の西武戦ではプロ初安打も放った。

 主に代走や守備固めとして44試合に出場した。自慢の俊足を生かして4盗塁をマークした一方、19打数2安打(・105)と打撃面で課題が浮き彫りになった。そして、6月14日に出場選手登録を抹消された。

 「1軍は球場の施設も凄いし、お客さんの数も多い。試合前のパフォーマンスも華やかで、これがプロ野球の世界なんだなと感じましたね。だから、抹消された時はやっぱり悔しかったです」

 失意に暮れている暇はなかった。もう一度、1軍にはい上がる。明確な目標に向けて再スタートを切った。1軍では主力投手のレベルの高さを痛感。初めてスタメン出場した試合で対戦したオリックス・山岡の投球に衝撃を受けた。「打たされている感じ。球の切れが違う。こういう投手を打たないとレギュラーになれない」。1軍で結果を残すためのバロメーターになった。2軍ではコーチ陣の指導を仰ぎながら、追い込まれてからのアプローチに重点を置き、確実性と出塁率の向上に取り組んでいる。

 2軍に合流する直前、石井監督から「これからだよ。失敗してもいいから、思い切ってやるように」と言葉を掛けられた。「目標は打率・300、30盗塁。頼られる1番打者になりたい」と武藤。スケールの大きな選手になって、1軍の舞台に帰ってくる。(重光 晋太郎)

 ◇武藤 敦貴(むとう・あつき)2001年(平13)6月15日生まれ、福岡県出身の20歳。都城東では投手も兼任。2年夏は宮崎大会準々決勝、3年夏は準決勝で敗れ、甲子園出場はなし。19年ドラフト4位で楽天入りした。1メートル78、73キロ。左投げ左打ち。

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