中畑清氏 セパともに“パラアスリート流”熱いV争い見せて!

[ 2021年9月7日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル!】五輪に続いてパラリンピックが幕を閉じた。競技場には行けなかったけど、テレビの前でいっぱい感動をもらったよ。

 2大会ぶり3度目の金メダルを獲得した車いすテニスのレジェンド、国枝。ベスト8に終わったリオ大会の雪辱を見事に果たした。右肘のクリーニング手術を受け、引退も考えながら「俺は最強だ」と言い続けた。勝負師として必要な心の持ち方。改めて教えてもらった気がするね。

 過去7位が最高だった車いすバスケ男子は決勝に進出し、前回王者の米国を苦しめた。最後は60―64で敗れたけど、37歳の藤本らベテランとスピードあふれる22歳の鳥海ら若手が融合。団体競技には共通点がある。勢いをつける役、ポイントをゲットする役…。個々の特長が明確になっているチームが強いんだよね。

 車いすラグビーもボッチャも水泳も…。全部は書き切れない。どの競技も、パラアスリートは体が悪いとか障がいがあるというのを忘れさせてくれた。重い障がいがあっても、持てる力を120%生かし、決して最後まで諦めない。そんな姿を見せてもらって思った。中畑清、67歳。体にいろいろガタがきていても、ぜいたく言ってんじゃないよ。まだまだ頑張んなきゃってね。

 コロナ下で開催された東京五輪・パラリンピック。いろんな意見があったけど、大成功だったんじゃないかな。

 プロ野球もパラリンピックに続いてほしいなと思いながら見た先の伝統の一戦。首位攻防戦にふさわしい熱戦だったね。阪神が粘り、意地を見せつけた。2試合連続逆転勝ちに続き、最後は0―6から引き分けに持ち込んで2勝1分け。首位を奪還した。

 3戦目は原監督が「私自身の用兵ミス」と認めたように6回で坂本を下げた巨人ベンチに油断があった。パラアスリートが教えてくれた最後まで諦めない気持ち。裏を返せば、勝負事は最後まで気を緩めちゃいけないってことなんだよね。

 セ・リーグはこの2球団にヤクルトを加えた三つ巴。パ・リーグはここにきて首位に躍り出たロッテからオリックス、楽天を挟んで4位ソフトバンクまで4ゲーム差。最後まで熱い金メダル争いから目が離せない。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2021年9月7日のニュース