雄星5勝目 ストライク先行「しっかりできた」 暑さと湿度で足がつり…「西武ドームを思い出しました」

[ 2021年6月26日 14:03 ]

ホワイトソックス戦に先発した菊池(AP)
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 マリナーズの菊池雄星投手(30)が25日(日本時間26日)、シカゴでのホワイトソックス戦で今季14度目の先発登板。相手投手のカルロス・ロドンはメジャー屈指の本格左腕で、注目の対戦となる中、6回途中1失点の好投で今季5勝目をマークした。

 2回マリナーズはトーレンスの2点本塁打で先制。その裏、菊池は5番グランダルに2―1から90・8マイル(約146・1キロ)の内角カットボールを左越えにソロ本塁打とされるが、許した失点はその1点のみ。ホワイトソックス打線は四球数でア・リーグ3位の279個と良く見てくるチームだが積極的にストライクゾーンで勝負し、初めて3ボールのカウントになったのは、5回グランダルとの2度めの対戦の時。直球、カッター、スライダーを軸に攻めの投球で、5回まで2安打1四球、6奪三振、1失点。マリナーズ打線も3回に1点、6回に9番フレイリーの2点本塁打と効果的に援護した。

 この日のシカゴは気温24度、湿度84%で、菊池は汗びっしょりになりながらの投球。6回になり、足がつったことから制球を乱し、四球が続き、球数90球で交代したが、リリーフ投手が2死一、二塁のピンチを抑えた。

 試合はマリナーズが9―3で勝ち、菊池は5勝目、防御率は3・34となった。

 試合後の一問一答は以下の通り。

 ――左投手に強いホワイトソックス相手に好投。
 「選球眼の良い打者が多い。とにかくストライク先行でと。それがしっかりできた」

 ――カットボールが多かった。
 「相手の打線を見ながらだが、今一番自信を持ってストライクを取れるのはカットボールなので」

 ――ロードで結果が良いのは。
 「たまたまそういう結果が出ていますが、ホームでも最近はすごくいいピッチングができている」

 ――審判のストライクボールの判定に不満を見せる場面もあったが。
 「3―2から何球かありましたけど、しようがない。次の打者にすぐ切り替えて、次の打者でしっかりゲッツーを取れたりできたのが良かった」

 ――今日の登板の自己評価は。
 「今日は楽しみにしていました。左投手に強い打線で、自分の力を試せる。立ち上がりから状態良く投げられていて、4回まではこういうピッチングがしたいなという理想的な内容だった。5回、6回は球数が増えて、四球が絡んだが、そこは次につなげたい」

 ――今日立ち上がりが良かった理由は。
 「ブルペンからリラックスして投げられていて、力みなく良いバランスで初球から投げられた」

 ――監督によると、5回終わったあと、足がつったと。
 「5回の最後の打者の時に感じて、6回はかばいながら投げてしまった。思い切り行けなかった。暑いです。湿度もすごかった。西武ドームを思い出しました」

 ――守備で滑る場面も。
 「グラウンドが濡れていたので滑ってしまいました。ケガがなくて良かった」

 ――新ルールで、粘着物のチェックを2回と4回の2度受けていた。
 「問題なく投げられました。ただ本当に汗をかいていたので、審判がお前の帽子は触りたくないと冗談を言ってました」

 ――初の自身2連勝。「チームも最近良い勝ち方をしている。前半戦残り2、3試合、役割をしっかり果たして、いい形でチームも自分自身も後半戦に臨めるようにしたい」

 ――ロドンと投げあったことについて。
 「リーグで今、左でトップの投手。それについての思いはあった。僅差のゲームになると想像していたので、味方の援護が大きかった。先制点を与えず粘り強く投げられて、個人的にすごく嬉しい」

 ――5勝目は、家族への良い贈り物。
 「勝ちが付くのは、僕にとっても大きいですけど、家族は勝ちがつくことですごく喜んでくれる。どんどん勝ち続けて、いいプレゼントを届けられるようにと常に思っています」

 ――別地区の、普段あまり対戦しない強豪と対戦することについて。
 「違う地区だと一巡目はすごく難しい。映像をいくら見ても、投げてみないとわからない。だからこそ、自分の軸になるボールを相手に合わせるのではなく、いかにきちんと投げられるかが大事」

 ――ドジャース、レイズもそうだったが、強豪に力勝負を挑めている。
 「トップのチームに互角に渡り合えているのはすごく自信になる。特に今日は良い右打者が多い中で力で押せたのは良かった」

 ――最近は負けないピッチングが続いている。
 「僕自身は長いイニングを投げることを一番に求められていると考えている。6回、7回と当たり前に投げる。そんな中で勝つ時も負けると時もある。そこはコントロールできない。長いイニングを投げることに一番意識を持っている」

 ――多投しているカットボールの使い方の工夫。
 「基本ゾーンに投げたいが、ガルシアとかアンダーソンとか、アグレッシブな打者には少し低く投げたり、ボール球でファールを打たせたりしている。そういうことが今日はできた」

 ――クリーブランドでも湿気に苦しんだ。今日は対処できたか。「慣れないですよ。今回も5回につってしまっている。そういうことがないように、調整から工夫はしているがつってしまう。あれがなければもう一イニング行けたし、もったいないことがないように工夫していきたい」

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