関本賢太郎氏 2戦目以降にらんだ阪神・梅野のリード ソト、オースティンへ徹底した「内角への意識付け」

[ 2021年6月26日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0ー3DeNA ( 2021年6月25日    甲子園 )

関本賢太郎氏
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 【関本賢太郎 視点】3打点のオースティン一人にやられたが、梅野はしっかりと2戦目以降をにらんだ配球をしていた。4打席の内容を振り返ると…。

 <1>初回2死三塁
 シュート、シュートと続けて甘くなったところを右翼へ2ラン

 <2>4回1死走者なし
 一転して外角低めにチェンジアップとカーブだけを投じて空振り三振

 <3>6回1死一、二塁
 初球の内角シュートを右前適時打

 <4>8回1死走者なし
 外角へカーブを2球続けてカウント1―1から外角スライダーで三ゴロ

    ☆  ☆  ☆

 走者を置いた3打席目に内角シュートを打ったオースティンにしてみれば「1打席目にホームランしたのに、また投げてくるのか」と思っただろう。痛打されたからといって、そのコース、その球種を消してしまえば選択肢が減ってしまう。26日の第2戦は左の伊藤将に代わるが、オースティンの思考は「チャンスで2本も打ったのだからもう無いだろう」とはおそらく思っていないはず。「きょうも内はあるかもしれない」というところからのスタートとなるのは、梅野にしてみれば大きい。

 本音をいえば、4打席目に内角シュートで詰まらせて三ゴロや遊ゴロで一度アウトを取っておきたかったが、2ストライク目のスライダーで決着してしまった。

 ちなみに、ソトには2回の第1打席でシュートを3球続けての中飛で以降は完全に術中に入れた。4回2死一塁での空振り三振、6回1死満塁での二飛はいずれも外角スライダーで、内角への意識付けが効いていた。

 両助っ人を封じるのがDeNA打線を封じる近道。この日、西勇がカード頭で代償を払ってまで張ってくれた「内角の意識付け」という伏線を、ぜひ2戦目以降の投手は生かすべきだ。(スポニチ本紙評論家)

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