巨人に「米国OBスカウト」誕生 岡島秀樹氏、マシソン氏、マギー氏ら 米でスカウト網

[ 2021年6月1日 03:00 ]

マシソン
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 巨人が「米国OBスカウト」の新役職を設立し、岡島秀樹氏(45)、スコット・マシソン氏(37)ら米国に人脈を持つ球団OB5人と契約を結ぶことが31日、分かった。東、西、中地区に担当を分けて全米各地に情報網を張り巡らせ、優良外国人の獲得を目指す。将来的には人数も増やす見込みで、現地の細かい情報も網にかけ、埋もれている「原石」も発掘していく。

 新たに契約を結ぶのは日米でのプレー経験があり、日本向きの選手かどうかを分析できる視点を持つ5人だ。これまでの駐在スカウトだけでは網羅できない全米各地に情報網を拡大し、外国人選手の獲得に生かしていく。

 球団は昨年6月、日本各地のOB21人と「OBスカウト」契約を締結。原監督は「いい選手を発掘することが目的。ネットワークを広げる必要がある。OBのお力をお借りする」と話し、有望選手の情報を、各担当スカウトに提供するシステムを構築した。次にネットワークを張り巡らせるのは全米。土地も広く、マイナーや独立リーグなどで埋もれている「原石」は多い。

 目玉は日米6球団を渡り歩いて通算815試合登板の実績があり、西地区を担当する岡島氏だ。巨人時代からリリースの瞬間に顔を下に向ける「ノールック投法」で活躍し、名門レッドソックスでも07年にセットアッパーとして世界一に貢献。15年の現役引退後は野球解説者などで見識を広げ、現在も日米で幅広い人脈を持つ。

 東地区はNPBの外国人投手最多ホールド記録保持者のマシソン氏と巨人で4番も務めたギャレット・ジョーンズ氏(39)。カナダ出身のマシソン氏は同国ナショナルチームの一員でもあり同国の選手の情報にも精通。ジョーンズ氏はピッツバーグ在住でパイレーツを中心としたメジャー解説者として活躍する。中地区は現在メジャー選手を多数輩出するアカデミーのオーナーを務めるジョージ・アリアス氏(49)と楽天でも活躍したケーシー・マギー氏(38)が担当する。

 国際部スカウト部門の強化を図る球団は、20年に招へいした友利結氏が海外スカウトを担当。3人在籍した外国人駐在スカウトらと新外国人選手発掘に尽力してきた。5人は同担当者らにフレッシュな情報を提供する役割を担う。補強ポイントに合う即戦力の獲得はもちろん、1Aや2Aながら将来性があり、日本にマッチしそうな選手もプレゼンする。

 近年は育成にも力を入れるが、常に優勝を狙うためには優良助っ人の獲得は不可欠。頼もしい5人の「新戦力」がチームに加わる。

 ≪国内は21人≫球団は昨年6月に全国各地に人脈を持つ球団OB21人と「OBスカウト」として契約を締結。選手との直接交渉は行わず、情報を球団の各担当スカウトに提供する役割だ。主に少年野球の指導に携わる球団OBで大阪府を担当する谷口功一氏や山梨県を担当する四條稔氏らが名を連ねる。ソフトバンク・千賀が地元の愛知県内のスポーツ用品店の店主の推薦を受けて育成選手でプロ入りした例もあり、全国にアンテナを張り巡らせている。

 ◆岡島 秀樹(おかじま・ひでき)1975年(昭50)12月25日生まれ、京都府出身の45歳。93年ドラフト3位で巨人に入団し05年までプレー。その後は日本ハム、ソフトバンク、DeNAに加えレッドソックスなどでもプレーした。左投げ左打ち。

 ◆ケーシー・マギー 1982年10月12日生まれ、米カリフォルニア州出身の38歳。カブス、ブルワーズなどを経て13年に楽天でプレーしベストナイン受賞。17~18年に巨人に所属した。17年のシーズン48二塁打はセ・リーグ記録。

 ◆ジョージ・アリアス 1972年3月12日生まれ、米アリゾナ州出身の49歳。エンゼルス、パドレスを経て00~01年にオリックス、02~04年に阪神でプレーした。03年にベストナイン。06年6月に巨人と契約して17試合に出場。

 ◆スコット・マシソン 1984年2月27日、カナダ出身の37歳。フィリーズを経て12年に巨人に入団。中継ぎとして19年まで活躍した。13、16年に最優秀中継ぎ投手賞。16年には球宴に選出。カナダ代表で06年WBCなどに出場。

 ◆ギャレット・ジョーンズ 1981年6月21日生まれ、米イリノイ州出身の39歳。パイレーツ、マーリンズ、ヤンキースを経て16~17年に巨人に所属。登録名は「ギャレット」。16年は開幕戦に4番で出場、24本塁打を放った。

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