藤川球児氏 メジャーで引退しなかったワケ 阪神に引き戻したのは、あの人の一言だった

[ 2021年6月1日 08:10 ]

藤川球児氏
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 現役時代「火の玉」と呼ばれた直球を武器に、日米通算245セーブを挙げた元阪神の藤川球児氏(40)が、5月31日深夜放送の関西テレビ「こやぶるSPORTS超」(月曜深夜0・25)に出演。日本球界復帰にまつわる裏話を披露した。

 藤川氏がメジャーに挑戦したのが2013年。「野球がどれだけうまくなれるかが全て」として野球の本場で階段を上る決意を秘めての渡米だったが、1年目に右肘を負傷し、トミー・ジョン手術を受けるなど苦難の連続。球速の低下、単身赴任生活などで心身ともに疲れ、「登ろうとして始めた野球だったから、下りながらやる野球は絶対に嫌だった」と、一時は引退を決断したという。

 ところが一部報道で、「140キロしか出ないから阪神の獲得はやめた方がいい」と出たことで「はあ?俺、やらないつもりやのに」と困惑。だが、気分を害する報道でもあり「兄が独立リーグのGMをしていたこともあったので、兄貴に連絡して『ちょっと、このまま辞めるの(嫌だ)。俺は登れるところまで登った、上がれないから辞めたのに、ここまで(一番下まで)落ちたわけではない』から、と。勝手に判断されて、怖い。だったら独立リーグ行こうか」と、引退を先延ばしにする経緯を明かした。

 そして、2015年6月に、無報酬という形で四国IL高知に入団。すぐさま150キロもマークするなど、復活した姿を見せると「いくつかの球団からオファーが来て。タイガースも熱心にオファーを出してくれた」と、NPBからの誘いが相次いだ。

 共演者のスピードワゴン小沢一敬(47)から「タイガースを選んだ理由」について問われると、藤川氏は「(独立リーグの)球場に来ているのが、めっちゃ阪神ファン。阪神の僕を見て来ているから」と、古巣のファンに心を動かされたことも一因とし、「どこでプロ野球選手として生きてきたんや、となったら阪神タイガースだと。阪神のフロントの人もそういう意見で、絶対タイガースでしかやってもらったら困る」と言われたことを明かした。

 そして決定打となったのが、当時阪神監督に就任したばかりの金本知憲氏の一言。「『お前、やるんだったら絶対に阪神じゃなきゃダメだ』と強く、その一言だけ言われたので、なぜですかと聞くこともなく、カネさんに言われるなら従います」と即答。かつて、藤川氏が苦悩した時期に支えてくれた恩人でもある金本監督の言葉で、復帰を決断した。

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2021年6月1日のニュース