ソフトバンク・上林 レギュラー奪取へ!「進撃の巨人」で再認識した「食うか、食われるか」

[ 2021年5月11日 05:30 ]

打撃練習を行う上林(撮影・中村達也)
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 ソフトバンクのキーマンに迫る「どこまでも鷹く」。第1弾は上林誠知外野手(25)を取り上げる。開幕直前にまさかの2軍スタートとなったが、約1カ月遅れで昇格すると、5日の楽天戦では3安打4打点1本塁打とすぐに結果を出した。レギュラー再奪取を狙う勝負の8年目。悔しさを胸にバットを振り続けた日々や今季に懸ける思いを明かした。

 ――1軍に呼ばれた時の正直な心境は。
 「やっと始まるなと。気が引き締まる感じだった。電話がきた時は(ファーム施設がある)筑後から福岡に戻ってきていたので、もう1回筑後に(荷物を取りに)戻った。それも含めて“今”って感じだった」

 ――復帰戦で即、結果が出た。
 「気負わずに出来たことが1番良かった。まずは結果が出てほっとした。かなり印象は付けられたと思うが、まだまだ始まったばかり」

 ――2軍でこだわってきた打撃のポイントは。小久保ヘッドコーチにはキャンプ中から肩が入る癖を注意されていた。
 「逆方向を常に意識してやっていた。(5日、楽天戦の)1安打目が逆方向に打てて良かった。肩が入りすぎることは注意している。調子は悪くないのでこの調子でいけたら」

 ――王貞治球団会長からは「長所を生かしなさい」と。今季のテーマの逆方向への意識は継続?
 「(王会長からは)軽く振って飛ばせる長所を生かせと言われているので、練習の時は強い打球を常に意識している。逆方向は取り組んでいるが、右方向も必要になる。イチローさんも言っているが、いつでも引っ張れる状態にして、体の切れを出すことが大事だと思う」

 ――復帰3戦を終えて感じた課題は。現在、取り組んでいることは。
 「出塁率かな。今年は盗塁を増やしていきたい。本多(内野守備走塁)コーチからは、投手が投げ出す時の雰囲気が分かれば、成功率は高くなると言われた。投手映像の確認、癖を常に見ている」

 ――打線の中軸を担ったグラシアルが骨折で戦線離脱になった。
 「チャンスも増えてくると思う」

 ――2軍でモチベーションをどう維持したか。
 「何回も心が揺れ動く時はあった。でも、考えたところで何も始まらないので、上達することしか考えていなかった。メジャーで活躍する大谷さんの映像を見て凄いと思ったし、日本人のトップとして活躍する存在がモチベーションになった」

 ――心の支えは。家族のグループLINEも?
 「迷った時は父親、兄に考え方をよく相談していたし、参考になった。LINEには著名人の名言が毎朝、貼られているので、その言葉を見るのが日課。めいっ子とのビデオ電話も癒やしになった」

 ――またレギュラー争いが始まる。外野は変わらずの激戦だ。
 「走、攻、守全てにおいて、とにかく必死にやるだけ。野球はそんなに簡単じゃないが、打撃部門の全てで1位を狙うくらいのつもりで頑張りたい」

 ――笑って終わりたいと言っていたが、改めて今季に懸ける思いは。
 「やってきた自負はある。いいイメージで過ごせているので、何でもポジティブに捉えていきたい」

 ――最近の野球以外のマイブームは。
 「進撃の巨人を見ている。食うか、食われるかの世界。やるか、やられるかのプロ野球の世界と似ている。どこまでいっても野球の視点で見てしまう」

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2021年5月11日のニュース