なぜ広島・小園は「好調です」と言わないのか 担当記者が見た現実を受け止める思考力

[ 2021年5月11日 08:15 ]

広島・小園(撮影・椎名 航)
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 入団して今季で3年目になるものの、広島・小園海斗内野手(20)から「好調です」と聞いたことがない。球団の高卒新人最多となる4本塁打を放った1年目もそうだったし、打率が3割を超える今季も「絶好調」なんて絶対に口にしない。

 1年目に「調子を語れるレベルではないですから」と言っていたことを思い出す。たとえ結果が残ったとしても、理想の打席内容との差を思えば満足した日はなかった。今季も、その考え方は変わっていないだろう。

 反対に「調子が悪い」とも聞いたことがない。昨季にウエスタン・リーグ打率が1割台に低迷した時期も「調子」を理由にはしなかった。全て実力と受け止めて踏ん張ってきたのだ。

 打席内容に満足できない理由に「打ち損じ」がある。初球から強振できる強みを持つ一方で、一発で仕留められる確率の低さを課題としてきた。絶好球と判断した瞬間に上半身に力が入り、打撃フォームが微妙に崩れる傾向にあった。

 ただし、今季の小園には、打ち損じたとしても打席内で修正できる技術がある。打席内の立ち位置を柔軟に動かし、追い込まれれば捉えるポイントを変更して、ノーステップやすり足打法で対応する。1年目に一時タイミングの取り方をすり足気味に変更するも、感覚が合わずに数日間で元に戻したことがあった。一つの形しか持っていなかった1年目と比べれば、引き出しの多さは歴然である。

 1軍で結果が出始めたことで、また新たな高みが見えてきているに違いない。小園から「好調です」と聞ける日は、まだまだ先になりそうだ。(記者コラム・河合 洋介)

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