【スポニチ潜入 大阪発(9)】高知・森木 「火の玉」追求する最速154キロ右腕 故郷の先輩の背中追う

[ 2021年5月11日 09:00 ]

<スポニチ潜入> プロ注目の高知高校・森木 大智投手 (撮影・平嶋 理子) 
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 スポーツニッポン新聞社では、今年も企画「スポニチ潜入」でアマチュア野球の有力選手(高校、大学、社会人)を記事と動画で紹介します。大阪本社では「スポニチ潜入 大阪発」と題し、エリア内の有力選手を紙面、公式サイト「スポニチアネックス」、YouTube公式「スポニチチャンネル」において取り上げます。第9回は高知の最速154キロ右腕・森木大智投手(18)です。

 12球団スカウトの森木詣でが過熱している。春季四国大会1回戦では9球団21人、準決勝も9球団11人、そして5月1日の決勝・明徳義塾戦にも4球団のスカウトが集結。同戦では9回に登板すると、巨人のスピードガンでは自己記録更新の154キロを表示した。3月31日の春季高知県大会決勝の高知中央戦でも152キロの自己記録を更新したばかり。勢いは止まらない。

 「これが夏前のケガなら終わっていた。いい教訓だと思って注意していく。この間に体幹やインナーとか基礎のところの強化に取り組めたと思う」

 2月の練習中に左足首捻挫で投球を封印。じっくりと基礎部分の強化に取り組んだことが春の球速アップにつながった。

 高知中3年時に春夏の全国大会を連覇。軟式球で150キロを出したスーパー中学生として、全国にその名は広まった。中学1年から6年間、指導してきた浜口佳久監督は「打たれると、すぐ自信をなくすタイプ。質を上げて、球速以上に速く感じさせる球を目指す」と高いレベルへの挑戦を一緒に取り組む。

 「中学時代は何でも自分でやろうと一人走りしていたかもしれない。今はピッチングについて深く考えるようになった。変化球を使って、ストレートをさらに生かしたり、相手打者の考えを感じて投球を組み立てることを意識している」

 直球へのこだわり。その原点には高知が生んだ元阪神・藤川球児の存在がある。その姿に小学時代から憧れ、練習を重ねてきた。

 「目指すのは打者が分かっていても打たれないストレート。完全に相手を圧倒して、3球振っても当たらない。お手上げだと思わせる球を投げたい。藤川さんのように絶対的なものを身につけたい」

 高校生活集大成のシーズンに3つの目標がある。「155キロ」「甲子園出場」そして「プロ入り」。甲子園出場への最大関門が明徳義塾だ。昨秋の県大会決勝は延長12回日没コールドの壮絶な投手戦。170球を投げ抜いた。今春は1勝1敗。夏に雌雄を決することになるが「明徳は目標じゃない。狙うのは日本一」と言い切った。

 視察する阪神・山本宣史スカウトも「球に力があり、制球力もある。(ドラフト1位の)12人に入ってくる」と1位候補として徹底マークを誓った。(文=鈴木 光、動画撮影=平嶋理子、後藤大輝)

 ◇森木 大智(もりき・だいち)2003年(平15)4月17日、高知県土佐市出身。蓮池小1年時にソフトボールを始め、3年時から高岡第二イーグルス(軟式)でプレー。高知中では3年時に全日本少年春季軟式野球大会と夏の全国中学校軟式野球大会で優勝。軟式球で最速150キロを計測。50メートル走6秒3、遠投115メートル。1メートル84、82キロ。右投げ右打ち。

 ※高知・森木投手の動画は「スポニチチャンネル」において配信中です。

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